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夢恋城へ…ようこそ…

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逢いたくて…~キース~3

Category - 番外編
部屋に戻り、リュークが着替えの用意をする

いつもだったら

『おかえりなさい!』

と瑠璃が笑顔で迎えてくれて、俺のスーツを肩から脱がせてくれる

瑠璃と出会う前はリュークにやらせて当たり前だった事が今更戻ると違和感だらけだ

「あ、明日の朝食の準備が整いましたら参りますので、それまでごゆっくりお休みください!し、失礼しますっ!」

早口でそれだけを言うとリュークは逃げるように部屋を出て行った

チッ…!逃げ足だけは早くなりやがって!

悪態をつきながら改めて自分の部屋を見回す

瑠璃と2人で過ごす為にリフォームした部屋…

ゆっくり入浴したい瑠璃の為に作った露天風呂

趣味の料理をするために設置したキッチン

いつか子供が生まれて、元気に走り回ってもいいようにと大きくスペースを取った

そしてゆっくりと過ごしたいとキングサイズより更に大きく作らせたベッド

それもこれも、瑠璃がいてこそ意味もあるものなのに

こうして一人でいるとなんの機能もしないただのオブジェだ

逢いたい…

無性に切ない

無理に引き離されたわけじゃない

喧嘩別れしたわけじゃない

そんな事は何度も経験してきた

その時は現状を打破しようと必死で逢いたい気持ちを闘志に代えてきた

けど今は…ただ逢いたい

仕事で入れ違うだけだ

気持ちも通じてる

明後日には逢えるはずだ

だから…余計に今逢えない事が悔しい

携帯を取り出して瑠璃にかけてみる

RRR…RRR…

出ない

そうだよな

母上と、母上が昔から懇意にしている伯爵夫人と同席しているんだ

出られないか…

けど俺にだけは出ろよ!

鳴り続ける携帯に舌打ちをする

『…キース?』

不意に呼び出し音が途切れて瑠璃の声がした

「遅ぇよ!」

つい怒鳴ってしまう

言いたいのはそうじゃねぇのに

『はい…ごめんなさい』

慣れているのか、瑠璃はクスッと笑っていた

『本当は帰れる筈だったのにごめんなさい』

「…母上のわがままにつき合わせて悪いな」

『ううん。伯爵夫人は凄くいい方で、お会いできてよかったですよ』

「そうか…」

『明日の夕方迄には帰れるみたい。そうしたら久しぶりに逢えますね』

「いや…俺は明日の昼から1泊でミッシェル城だ。明後日の夕方迄帰れない」

『そうなの?明後日の夕方って…確か、福祉団体の理事長さんがお義母様を訪ねてみえるから私も同席しなきゃ…』

「同じ城の中にいるのに…」

『なかなか逢えないですね…』

瑠璃の声が沈むのがわかる

お前も俺と逢いたいか?

逢いたいよな

『ん…逢いたい、けど無理』

「無理じゃねぇ!」

『え?』

「俺に不可能なんかない!」

そうだ

俺を誰だと思ってる

一人部屋でウジウジしてるタイプかよ!

「待ってろ!迎えに行く!」

『ええ!?キ、キース?!』

俺は携帯と車の鍵を握り締めて部屋を飛び出した


~つづく~





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