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夢恋城へ…ようこそ…

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逢いたくて…~キース~4

Category - 番外編
俺が近づくと車のロックが勝手に外れる

その微かな音で気付いたのか、そばにいた男が顔を上げた

「若様?」

警備隊長のランスロットだ

外では《キース様》だが、どうもうちの年輩連中は城の中だと俺を《若様》とか《若》と呼ぶ

爺やアレックや爺様の時代から仕えてる連中の悪い癖だ

俺に息子ができたらなんて呼ぶつもりだ

「どちらかお出かけですか?」

「瑠璃を迎えに行く」

「瑠璃様でしたら…」

ランスロットは思案顔で宙を見てから

「遠ぉございますな」

とシラッと言う

「今日は天気も悪そうですし…」

止める気か?聞かねぇぞ

「こんな日にこそドライビングテクニックを磨かねば…」

はぁ?

「瑠璃様のいらっしゃる方面は緑豊かないい所ですなぁ。私もドライブしてみましょうかね」

…暗に俺に付き添うつもりか

「まぁ若様が私のスピードについて来れたらご一緒できますが」

「なんだと?俺に勝つつもりか」

「さぁ…」

にっこり笑うその目はやっぱりエドワードに似ている

爺様が暴走しなきゃシャルルの国王だった男だ

…怒りにくい

「勝手にしろ!」

俺がスポーツカーに乗り込むとランスロットもゆっくりと歩いておそらく自分の車に向かう

ほんっとうにここの年寄りは癖がありすぎる!

年寄りと言ってもランスロットはまだ50過ぎだが

俺は構わず愛車のエンジンをかけた

心地いい振動が足元から響いてくる

リムジンは人に運転させるものだがスポーツカーは自分でハンドルを握るに限る

俺は目を白黒させる門番を無視して城を飛び出した

ふと見れば後方にランスロットのランクルが見える

このごつさが警備隊長らしいが…とてもルヴァンソワ家の血筋には思えねぇ

まぁ、白馬で追いかけられても困るけどよ

俺は高速を目いっぱいぶっ飛ばした

ランクルでついて来られるならついて来い!

…本当に奴は俺が伯爵家に着くまでピタッとついて来やがった

「キース!?」

伯爵家に横付けして瑠璃に電話をすると、アイツはすぐに飛び出してきた

「いったいどれだけスピード出してきたのっ!」

怒りながらも俺が笑って手を広げると躊躇なく飛び込んでくる

ああ…瑠璃だ

この柔らかさ
この香り…

「スピードなんか知るか…気にしてねぇよ」

「事故したらどうするの…」

抱き締める腕に力を込めると瑠璃は上目遣いで俺を睨む

「俺に事故られたくなかったら真っ直ぐ帰って来いよ」

「そんなの…そうしたいけど…」

わかってる

母上に逆らえる筈はない

「…逢いたかった…」

「…私も…」

抱き締める強さを加減できそうにない…

瑠璃を求める気持ちも…

俺達は本能のまま唇を重ね合った

火照った俺達の頬に雨がポツリポツリと落ちてきた



~つづく~





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