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2課の彼の恋~木村涼平~2

モンステまでの道のりも天王寺さんと他愛ない話で笑いながら歩いて行きました

不思議な人です

関西の人はみんなこんなに話好きでしたでしょうか

大阪府警の鑑識課員はもっと無愛想だったと思いますが…

僕がそう言うと天王寺さんは

「木村、そりゃ偏見やぞ!黒人全員が踊り上手いか?足が速いか?絶対鈍足で運動音痴の黒人かておんねん。無愛想な大阪人もいるわ」

そう言って笑いました
確かに…その通りですね

天王寺さんは不思議な人です

つい同じ台詞を吐いてしまいますね

そんな話をしながらモンステまでの間の信号を待っていた時

「あ…」

天王寺さんが不意に黙りました

「夕子…?」

天王寺さんの視線の先には車いすに乗った女性が隣を歩くスーツ姿の男性と楽しそうに談笑しながら通り過ぎて行きます

「妹や」

ああ…そう言えば天王寺さんには妹さんがみえました

通り魔によって無差別に刺されて車いす生活を余儀なくされてしまった妹さん

僕も鑑識として現場に向かいました

あれから何年経ったでしょうか

「彼氏か…?」

兄としてなのか天王寺さんの声のトーンが下がりました

「いや、ちゃうな。うん、ちゃうわ」

天王寺さんはちょっとホッとしたように笑って、青に替わった信号を渡り始めました

「どうして違うってわかるんですか?」

天王寺さんの自信が不思議に思えて思わず尋ねました

「男が夕子の横におったからや」

横?確かに車いすに並んで歩いていました

2人が去って行った方を改めて見るとやはり車いすの夕子さんの横をスーツ姿の男性が歩いています

知り合いなら押してあげればいいと思うのですが…

「車いすの持ち手を人に預けるちゅうのは、俺らが現場で背中を預けるのと一緒やねん」

現場で背中…

それは生死を意味します

「車いすの主導権を握られたら押されて走られようが、電車のホームから突き落とされようが足が不自由な人間にはどうもできんねん」

「そうですね…」

「夕子が車いすを押させるんは両親と俺と古都葉と、なんでかわからんが瀬名だけやねん」

「瀬名さん…ですか?」

「前に逢った時にすぐに意気投合しやがって、ものの数時間で瀬名に車いすの主導権渡しよった」

「ははは…さすが瀬名さんですね。兄妹共々猛獣使いに手懐けられましたか」

「ほんまに…どないなっとんねん」

天王寺さんは苦笑い混じりにつぶやくと、到着したモンステの扉を開けました

この時、僕の頭の片隅にはさっき目の前を通り過ぎて行った天王寺さんによく似た端正な横顔がしっかりと刻み込まれていたのでした


~つづく~





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Category - 2課の彼の恋(特捜24時)

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