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迷える2人の王子~2~グレン

Category - 番外編
大学からの帰り道、グレンはユウの運転する車を止めさせて、ミラが前から行きたがっていたパンケーキ専門店に寄った

少しは並んだが意外と早く店に入る事ができた

窓際の席に付いてオーダーを済ますとミラがキョロキョロと回りを見回す

「どうかしたか?」

「えっと…私達、変装してないよね」

「ん?俺は眼鏡掛けてキャップかぶってるけど」

「私も帽子と…帽子だけか」

それも女優帽と言われるようなものでもなく、小顔効果があると言われているキャスケット帽

「…で、私達バレてないわけ?」

「バレたいのか?」

「ううん!まさか…でも」

あまりにもバレてなさすぎじゃない?とミラは思う

他国じゃキース様もジョシュア様も、特にウィル様は厳重に変装するらしい

もちろんプリンセスも

じゃなきゃパニックになっちゃう

あ、エドワード様とロベルト様はそのままらしいけど…

「あの2人と一緒にするなよ」

ロベルトが城下町でうろついているのはアルタリアでは当たり前の光景らしい

エドワードは何をどう変装してもエドワードはエドワードでしかない

変装の必要を感じていないようだ

「面倒くさくなくていいんじゃないか?」

グレンはそう言うとウェイトレスが普通に持ってきたフルーツがたっぷり乗ったパンケーキを口に運ぶ

「そうかなぁ…」

一抹の不安を感じながらミラは生クリームが塔のようにそびえ立つ苺の乗ったパンケーキにナイフを入れた

そんな時、ふと《グレン王子》という単語が聞こえてきて

グレンとミラは一瞬フォークの動きを止めた

その声はどうやら観葉植物を挟んだ向こう側のテーブルに座る男女のようだった

「グレン王子がなんだって?」

多少パンを口に含んだまま男性が言う

「なんか他の国の王子様と比べると地味よねぇ」

「地味?王子に派手とか地味とかあんのかよ」

女性の声と共に紙が捲れる音がする

あれはきっと、先週発売になった各国の王子様特集って本だわとミラは思う

各国の紹介と、王子達のプロフィールや、公務やプライベートな写真が何枚か載ったはず

「まぁ、他の王子様と比べて若いから威厳がないのはしょうがないんだけどさ」

「……」

グレンは止まったままのフォークを置いた

「でも若いなら若いなりに元気ハツラツ~とか、可愛いとかあるじゃない?ほら、見て!アルタリアの王子様なんて笑顔満開で親しみ持てるじゃない?アイドルみたいよ」

ロベルトの笑顔はアイドル…

「リバティの王子様はめっちゃ仕事できるって聞いたし。頭よさそうっていうか、自信に溢れた顔してるじゃない」

キースは自信に満ちあふれ…

「シャルルの王子様なんて気品の塊じゃん。こんなに薔薇を背負って似合う人って少女漫画の中の人くらいよ」

エドワードは気品…

「ドレスヴァンの王子様は今、ネルヴァンの王子様と手を結ぼうって改革してるんでしょ?それこそ威厳があるし」

ジョシュアは威厳…

「フィリップの王子様なんて美形中の美形で、まさにクールビューティ!黙ってても華があるもの」

ウィルはクールビューティ…

グレンの頭の中に他国の王子達の顔が浮かんでは消える

「まぁ、うちの国のグレン王子はまだ大学生だろ?公務ったって国王が仕切ってる訳だし。まだまだこれからっしょ」

「だったらさぁ、今のうちにビジュアル面とかパフォーマンスで売るべきじゃない?今からグレン王子の信奉者が一杯いたら後々楽だと思うけどなぁ」

「グレン王子っていい男じゃねぇの?俺には劣るけど~」

「アンタよりいい男に決まってるけどさ!なんか、う~ん…笑顔が固いっていうか…きっと彼女とか親しい友達にしか笑顔を見せないタイプ?いわゆるツンデレタイプっていうの」

「なんだよツンデレって…そんなのわかるかよ」

「そうなのよねぇ~女ってツンデレに弱いけど、デレが見えなかったらただのツンだもん。可愛いくないわ~」

言いたい放題だ…

ミラは恐々とグレンの方を見た

グレンは無表情のままパンケーキを機械的に口に詰めていた

「だ、大丈夫だよ!グレン君の良さはわかる人にはわかるもん!」

ミラは慌ててフォローするが、グレンは黙ってレシートを持って行ってしまう

「ちょっと、待ってよ!私まだ食べてるし!」

とりあえず残っていた苺を口に放り込むと急いで後を追った

これは…フォローが大変だ

ミラはこの胸やけが生クリームのせいだと必死に言い聞かせた


~つづく~





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