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迷える2人の王子~5~ロベルト&グレン

Category - 番外編
照明が消えて…

いつもと違う雰囲気に会場がざわめく

オペラやクラッシックの始まる雰囲気ではない

「ロベルト、手品でもするのかな…」

ボソッとウィルが呟く

「グレンを宙に浮かすのか?」

真面目にジョシュアが答える

「人体真っ二つだと国際問題になるな」

キースは明らかに笑っている

「後からくっつけてもダメでしょうか」

エドワードの言葉に誰もツッコまない

ここはいつもならロベルトの役割だ

『前と後ろ間違えたら困るでしょっ!』

とか

『エドちゃん、糊でくっつくと思ってる?』

とか

『俺の体で遊ぶな!』

グレンが怒って終息するいつものパターンは2人がいない事で不成立となった

(なんだかんだと言って仲がいいんだから…)

キースの横で舞台を見つめながら瑠璃はクスッと笑う

「瑠璃様、真っ二つになったグレン様を想像したの?」

反対側に立っていた真鈴がコソッと日本語で囁く

「そんなの…っ!真鈴様は想像しました?」

「真っ二つより…体中ハトまみれになられたロベルト様かしら」

「それもシュールですね…」

回りが日本語がわからないからこその会話だ

プリンセスらしからぬ会話がささやかな息抜きになる

「あ…始まるかも」

瑠璃の声と共に薄暗かった照明が完全に暗転となる

と…

ビィィン…!

クラッシックではあり得ない音が響き渡る

真っ赤な幕にスポットライトが当たり、シルエットが浮かぶ

誰かがギターを構えて後ろに体を反らしている

「まさか…」

「どっち?」

真鈴と瑠璃が顔を見合わせる

「1,2,1,2,3,4~!」

軽快な声が響く

ビィィン~!

ジャーン!

一斉にロックな曲が流れ始めた

幕が開き、背後からの照明でシルエットになったままの人物がエレキギターを掻き鳴らしながら前に進んでくる

「HAPPY BIRTHDAY!真鈴ちゃん!瑠璃ちゃん!」

紛れもなくその声はロベルトで

王子達は一様に固まった

幕が完全に開きバックに生演奏のバンドが姿を現した

そのバンドとロベルトは激しくセッションしていく

「ロベルト様…すごい…」

そう呟いたのはレイラ

「意外と何でも万能なんですよ。ロベルトは」

エドワードはまだ目を見開いているウィル達よりも先にいつもの状態で舞台を見つめた

「…公務以外はな…」

負け惜しみを言うキースの横で瑠璃は目をキラキラさせて見つめている

「真鈴様!真鈴様!これって聞いたことありますよね!」

「ええ…」

興奮気味の瑠璃に腕を掴まれて真鈴もようやく頷く

激しいロック調にアレンジされてはいるが、どこかで聞き覚えのある曲

やがてそれは確信に変わった

1曲終わると立て続けに次の曲のイントロに移る

それは真鈴と瑠璃が日本の学生だった頃、当たり前のように流れていたヒットチャートの曲だった

テレビの音楽番組で

エンタメニュースで

ショッピングセンターのBGMで

若い女の子達が口ずさんでいたヒット曲

それが目の前で生演奏されているのだ

「let's Go!Come On!グレン!」

ロベルトの声でスポットライトが別の場所に当たる

すると…

またバックからライトが当たり、シルエットが数人の影を映し出した

やがてライトが逆になり

まるで王子のような…いや、実際に王子だが

煌びやかな衣装を身にまとったグレンが、黒一色の衣装のバックダンサーを従えて前に進み出てきた

そしてリズムに合わせて激しく踊り出した

社交ダンスではない

明らかにヒップホップダンス 

それも中途半端な踊りではない

キレがよすぎる程のダンスが皆を圧倒した

ロベルトのギターも踊りに合わせて弦が震える

前奏に続いて聞こえてきたのはグレンの歌声

甘くて優しげな、でも男らしいその歌声は何の訛りもない流暢な日本語だった



~つづく~





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