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迷える2人の王子~6~ロベルト&グレン

Category - 番外編
ロベルトが歌が上手いのは知っていた

パーティーの時など結構お酒が回るとご機嫌に歌い出すのを何度も見ている

エドワードがオペラを歌うのも、ジャンの影響なのか、ジョシュアが今流行っている歌をちゃんと押さえているのも知っていた

キースは…瑠璃の胸の内だけに留めておこう

ウィルとグレンは元来目立つことが嫌いな為か、自ら歌う事もなかった

それが今…

グレンの声は気負う事もなく、日頃聞き慣れた声で、それでいて力強く歌を綴っていく

…君に逢えてよかった

…狂おしい程愛おしい君に

…この広い世界で出逢えた奇跡を…

まるで遠く異国の地から嫁いで来た瑠璃と真鈴の為のように、グレンの口から日本語で紡がれる

しっとりとしたバラードではなく激しい曲に合わせてずっと踊り続けながらグレンの息は乱れる事もない

背後に引き連れたプロのダンサーと一糸乱れぬそのダンスに全員が息を飲み、そして招かれている貴族の令嬢達から悲鳴が上がる

「グレン様っ!かっこいい!」

つい、貴族ではなくプリンセスであるノエルまでもが歓声を上げている

…愛してる

…愛してる

…誰よりも深く

…誰よりも強く

グレンのブラウンの大きな瞳が主役である2人のプリンセスに向けられる

そして間奏に入るとそのままニヤリと笑みを投げかけた

「…かっこよすぎる…」

日本語で言ったにもかかわらずなにを言ったのかわかるのだろう

キースはムッとしたまま瑠璃の腰を抱き寄せた

間奏になるとまたロベルトのギターが激しくなる

「ロベルト…かっこいい…」

心からの声を絞り出したのは他でもないルーティア

瞳がウルウルと揺れている

ギターソロが終わり歌に入ろうとすると、ロベルトはギターを置いて

グレンと一緒に踊り、そして2人で歌い出した

また歓声と悲鳴が上がる

ロベルトとグレンの声は相性がいいのか、ハモる声が絶妙に心地いい

2人揃って歌い、ハモり、そして踊る

一体いつ、どこで、どれだけ練習してきたのか

…ずっと君だけを見てきた

…これからも永遠に君を見つめよう

…例え君が振り向かなくても、僕は君を諦めない

ロベルトとグレンの声が素直に心に響く

…生まれてきてくれてありがとう

…生まれてきてくれてありがとう

…君に出逢えた奇跡に

…君を愛せた奇跡に

いつしか瑠璃の頬に涙が伝っていた

今日の集まりはただキースとジョシュアへの顔つなぎだけのもの

儀礼的な上辺だけの祝辞のパーティーだと思っていた

ほぼ公務と割り切って笑顔を貼り付けてきた

けれども今、目の前で歌い踊ってくれているロベルトとグレンは、どれだけ多くの時間を費やしてくれたのか

歌い、踊るだけでなく、日本語の歌詞を覚えるのは大変だっただろう

それもこれも瑠璃と真鈴の誕生日を祝うためだけに…

ロベルトの合図で華やかに演奏が締めくくられ、割れんばかりの拍手が湧いた

歌い終わったグレンとロベルトはゆっくりと2人のプリンセスの元に歩み寄り、そして跪いた

グレンは真鈴の前に

ロベルトは瑠璃の前に

驚く瑠璃と真鈴の手をグレンとロベルトは取った

「…Happy Birthday プリンセス」

「俺達6ヶ国の家族になってくれてありがとう」

そう言うとそっと手の甲に唇を寄せた

「グレン様…ありがとうございます…」

「ロベルト様っ…ありがとうございます…!」

真鈴と瑠璃は満面の笑みでグレンとロベルトに感謝のハグを返した

「瑠璃ちゃんったら、泣かないの!キースが睨んでるだろ」

ロベルトは瑠璃の頭をヨシよと撫でる

「ほら…ハンカチ」

グレンは涙ぐむ真鈴にハンカチを手渡す

当然ジョシュアはムッとしているが…

「へへへ!やったね!グレン!」

「ああ…やりきったな」

ロベルトとグレンは自然とハイタッチを交わしていた

それをずっと日本のカメラが追っていた


~つづく~





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