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迷える2人の王子~7~ロベルト

Category - 番外編
それから数日後…

相変わらず書類の山は減っていかない

「これって俺の処理能力じゃなくて、俺の所に来るまでの処理能力の問題じゃない?」

ブツブツ言いながらロベルトはサインのし過ぎで腱鞘炎になりかけの右手を擦る

きっとリバティやドレスヴァンは大量の案件を優秀な小人達が寝ている間に片付けているんだ

そういえば母さんが言ってたっけ

いい王子になったら森から優秀な小人達が手伝いに来てくれて、寝てる間にも仕事を手伝ってくれるって

…寝てても書類は減らずに時には増えていくって言うことは、俺は小人に嫌われているんだろうか…

きっとアルそっくりの小人なんだ

頭の中で親指サイズのグレーの服とグレーの三角帽子を被った小さなアルベルトが書類のどんどん積み上げていく姿が浮かぶ

ふん…!

ロベルトはペンを放りだして思いっきり背伸びをした

あの誕生日パーティーの準備でギターとダンスと歌のレッスンで公務が滞った事はすっかり忘れているのだ

「あ~またギター弾きたいなぁ~もっと大きなステージで~スポットライト浴びてぇ~女の子がキャーキャーってさ」

自分よりグレンの方が歓声が多かったのは気のせいか…

やっぱり若さか

「ロベルト王子イメージアップ作戦は空振りかぁ~」

散々愚痴って大きくあくびをしたその時…

「ロベルトっ!」

「へ?あっ!あわわわわっ!」

バンっ!と扉が開いてその衝撃で書類の山が崩れそうになる

慌てて押さえるその向こうに勢いよく近づいてくる父親の姿に目を丸くする

「なにさ!どうしたの父さん!」

「ロベルト!でかした!」

「へっ!?褒められてる?!」

滅多にないことなので余計に面食らう

更に父、国王はロベルトの頭を抱き抱えると、ワシャワシャっと撫で回した

「ななな、なんなの?!何事?!」

助けを求めるようにまわりを見回せば、アルベルトまでもがにっこりと微笑んでいた

でかしたってなに?

「あっ!ルーティアが懐妊して男の子確定とか?!」

「残念ながらその徴候はございません」

真面目にアルベルトが答える

どうしてアルベルトがそこまで把握しているか問い詰めたい所だが、それ以前に国王の喜び具合が尋常ではない

「父さん落ち着いて!どうしたの!」

「どうもこうも!ロベルトの30年に1度の大ヒットだぞ!」

なんだよ、30年に1度って

俺まだ20代だし!

ツッコみたい所は多々あるが…

埒があかないようなのでロベルトは素直にアルベルトに助けを求めた

「先日の瑠璃様、真鈴様のお誕生祝賀会でのロベルト様のパフォーマンスがお二人の母国、日本で放映されました。日本のテレビ局をお呼びしたのはロベルト様でしょう?」

「うん。だって瑠璃ちゃんも真鈴ちゃんもこんな遠くの国にお嫁に来てくれて、とっても愛されてるし、楽しんでるよって母国の人に伝えられたら安心するかなって思ってさ」

ついでにアルタリアの宣伝にもなるかなって…

えっと…考えが浅はかだった?

ちょっと後ろめたさもあってロベルトは上目遣いでアルベルトを見上げた

「それが大正解だったのですよ」

「うわっ…アルまで褒めてる」

天変地異が起きなきゃいいけど

「こちらをご覧ください」

アルベルトが書類をロベルトに手渡す

「なになに?」

受け取って見てみると

『ロベルト王子に逢いにアルタリア王国に行こう!ツアー』

『世界遺産ノーブル・ミッシェル城とロベルト王子のアルタリア城を巡る4泊5日の旅』

『ハロウィーンを満喫!ロベルト王子に会えるかも!豪華10日間アルタリア王国の旅』



「…へ?」

「ご覧の通りです

「ご覧の通りと言われても…」

「日本で放送されてからロベルト様に逢いに行けるツアーというのを企画してもいいかと、わが国の観光局に問い合わせが殺到しているとの事です」

「俺?!」

「はい」

いまいち理解できていないロベルトの肩を国王がガシッと掴んだ

「あのパフォーマンスでお前に会いたいと言う日本の女性が一気に増えたということだ!お前に会えるというだけでこれだけの旅行イベントが開かれる。つまり日本から観光客が増加する」

「って事は外貨がいっぱいアルタリアに落ちるって事?」

「そうだ!あんなにいろんなキャンペーンをやったり、アルタリアを売り出す為に大臣達が予算を絞り出そうと頭を悩ませていたのにお前はあのパフォーマンス1回でこんな外貨を稼げるんだぞ!ただだ!ただ!無料!」

…一国の国王らしからぬ言葉だ…

「でもさ、俺に会えるって…」

「とりあえずは決められた時間になったらバルコニーから顔を出せ。思いっきり手を振って愛想を振りまくんだ」

「マジ?」

「ハロウィーンの時は…そうだ!アル!同じ姿をした偽者のロベルトを何人か城下に放って、本物のロベルトといつかは会えるっていうイベントはどうだ!?」

国王は興奮気味にアルベルトに振る

「そうですね。いつ現れるか判らない本物のロベルト様を探すと言うイベントは盛り上がるでしょう」

「よし!それはこちらから日本の旅行会社に提案しよう!それで更に集客できるぞ!」

「あのぉ…」

ロベルトは恐る恐る国王を見る

「それは国王公認で城下に出ていいって言うこと?」

「ああ、そうだ!ハロウィーンを思いっきり盛り上げてこい!」

「マジかぁ!」

「アル!早速会議をするぞ!準備してくれ」

「はい。旦那様」

国王とアルベルトは足早に執務室を出て行く

「マジかぁ~…」

一人呟くロベルト

「いいんだよね?俺、すっごくアルタリアの経済効果を上げられたんだよね?ただで…」

一人で自問自答する

「損失無いよね?!プラスだよね?!よっしゃぁ!」

ようやくロベルトは思いっきりガッツポーズをして叫んだのだった


~つづく~





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