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俺達の生誕祭~キース~3

Category - 番外編
すっかり夜の帳も降りて露天風呂は真っ暗…な筈だった

しかし俺の目に飛び込んできたのは淡いオレンジ色の光だった

「なんだこれは…?」

灯りが点々と露天風呂の周りで揺らめいている

湯けむりの霞が光りに濃淡をつけて幻想的だった

その中に瑠璃はいた

露天風呂の縁に座って俺を見上げている

その風景は…いつか見た情景を思い出させた

あれは…まだ一緒に住み始めて間もない頃

恥ずかしがる瑠璃と一緒に風呂に入った時、のぼせたあいつがやっぱり縁に座って体を冷ましていた姿がまるで人魚のように見えて…

「…キース?」

ふと声を掛けられて我に返った

「風邪引くぞ」

俺は瑠璃に手を差し伸べ

そして2人して湯船の中に身を沈めた

改めてオレンジ色の灯りに目を向ける

「キャンドルか?」

「はい。綺麗でしょ?」

「数字が書いてあるよな?」

「これは書いてあるんじゃなくて、キャンドルを作る時に埋め込んだの」

瑠璃はそう言ってにっこりと微笑んだ

よく見ると確かにグラスの中のキャンドルに埋め込まれた小さなスワロフスキーの粒が1,2,3…と1つ1つに形を作っていた

「お前が作ったのか?」

俺が目を丸くすると瑠璃はコクリと頷いた

キャンドルって…作るものか?

数字があるものが欲しければ職人に作らせればいいだろうに

瑠璃も公務で忙しい筈なのにいったいいつ作る時間があったんだ

「毎日ちょっとずつですよ」

瑠璃は笑いながら最初に〈0〉とあるキャンドルを指さした

「キース・アルフォード王子、2月22日に生まれました」

「あん?」

「リバティ王国の待望の後継ぎの王子様誕生を国民みんなが祝福しました」

「当たり前だ」

当時すでにアルタリア、フィリップ、ドレスヴァン、シャルルと王子が生まれており、正直父上と母上は焦っていたと思う

「3日間国を上げて祭りを行ったと聞いてるぞ」

「本当に祝福されたのね」

瑠璃は自分の事のように微笑む

こいつは…そういう奴だ

俺達は自然と肩と肩を触れ合わせて寄り添った

そしてふう…っと息を吹きかけて〈0〉のキャンドルの灯りを吹き消した

そして改めて周りを見回す

俺の年の数だけあるキャンドルを…


~つづく~


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