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夢恋城へ…ようこそ…

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shampoo~ジョシュア~

Category - 番外編
お風呂上がりに洗いたての髪をタオルで包んで

そのタオルを解いてパンパンと水分を吸い込ませる

せっかく長くなってきた髪を雑に扱ったら絡まったり、擦れたりして傷んでしまう

丁寧に水分を取ったら手櫛で空いてみる

それから目の粗いブラシで

根元の頭皮の部分を乾かしてから段々と細かいブラシで梳かしながら乾かしていく

「う~ん…」

違和感…

ギシギシしている

しなやかさがないわ

毛先を摘まんで見てみる

「う~ん…」

後ろを向いて鏡に映してみる

生乾きの黒髪が私の頭の先っぽから腰辺りまで緩いカーブを作っていた

「いかがなさいましたか?」

不意に声を掛けられてビックリする

鏡の中でジャンさんが微笑んでいた

ジャンさんがいるということはジョシュアが帰って来るという事なんだけど…

なんにしてもジャンさんが部屋に入ってきたことに気付かなかったわ

「会議は終わったのですね」

ちょっとした動揺は胸の奥にしまい込んで普段通りに声をかける

「1時間42分延長されましたが」

「国王様?」

「相変わらず締めのお言葉に重みがございます」

「それは暗に長いって言ってるでしょう?」

「執事如きは何も申せません」

こういう時だけ執事って職種で回避するんだから

「ところで真鈴様、髪を気になさっておいでのようでしたが」

「そうなの…」

「お肌に合いませんか?」

部屋に置いてあるシャンプーもリンスもドレスヴァン王室御用達の最高級なのだけれど…

「やっぱり私は日本人なのね」

「長年お使いの物が馴染むのでしょう」

「王室御用達のものと比べると全然値段も安いと思うのに不思議ですね」

「それぞれの国民の体質に合わせて開発しているので当然でございますよ」

ジャンさんはそう言うとにっこり笑った

「真鈴様のお望みのシャンプーのメーカー名や商品名をお教え頂ければ私の方で取り寄せます」

「本当?」

いいのかな?ドレスヴァンのものを使わなくても…

ちょっと悩んでいると

「お前は次期王妃だぞ。国内の一業者に気を遣う必要はない」

不意に声がして振り返るとジョシュアがネクタイを緩めながら歩いて来ていた

スルッと取ったネクタイを当たり前のようにジャンさんが受け取る

流れるような動作でスーツの上着も脱がせて手に取る

何の無駄な動き無く外された腕時計も同時に受け取った

相変わらずの主従関係に私の入り込む隙間はない

「じゃあ、わがまま言っていいですか?」

私はジョシュアが来るまで待ってその腕に触れた

「ああ、母国から好きな物を取り寄せればいい」

ジョシュアはそう言ってふっと微笑む

恐らく何時間も封印された表情なのだろう

「お前の国の技術が全て物に対して繊細で拘りがあるのは知っている。オリエンスさえ及ばない技術を数多く持ち合わせている国民らしい」

「そうですよ。ジョシュアの好きそうなお国柄です」

初めて日本に一緒に行った時に和菓子作りと、食品サンプルを作る場所をジャンさんにリクエストして見学させてもらうようにセッティングして貰った

思った通りジョシュアは瞬きもせずに夢中になって見ていたわ

あれからジョシュアは私の母国に興味津々なのです

それまではドレスヴァンの物が全てにおいて世界一だと言って譲らなかったのに

変われば変わるものです

「じゃあ、実家から私が使っていたシャンプーとリンスを取り寄せてもいいですか?」

「好きにすればいい。ジャン!」

「畏まりました」

ジョシュアの一言でジャンさんは恭しく頭を下げた

「メーカー名とかは紫音に聞けばわかりますから」

私がそう言うと、ジャンさんは一瞬キョトンとして…

「ご配慮痛み入ります」

そう言い置くと、また気配のないまま姿を消した

ジャンさんと妹の紫音…

この先どうなるか想像もつかない恋愛を応援してあげたいのだけれど…

「普通の女にジャンの相手が務まるとは思えんが…」

主であるジョシュアでさえジャンさんの消えた行った扉を見て呟く

紫音には平凡な幸せを掴んで欲しい気もするのだけれど…

いろんな事を考えながら私がドライヤーを改めて持つと、ジョシュアの大きな手が生乾きの髪を撫でていく

「まぁお前も俺以外の男では扱えないだろうがな」

「……」

逆だと思いますけど…

そう言いかけた唇をほんの一瞬塞がれて

ジョシュアはシャワールームへと消えていった

それから数分後には…

私は同じ香りのする髪を胸に掻き抱いていた

時には逆になり…

ジョシュアが私の髪に顔を埋める

幸せな香り…

違うシャンプーにするのをちょっと後悔する

「何を使おうが…お前の香りは俺の理性を崩していく…」

ゆっくりと、深く揺れる体

体の芯から愛おしさが突き上げてくる

荒くなる息づかいを整える暇すら与えてもらえず…

私は無意識に甘い声を上げてしまう

ねぇジョシュア…

貴方は何の香りが気に入ってくれるかしら

ローズ?

ミント?

ピーチ?

ううん…きっと貴方は…

「お前自身の香りがなによりも一番だ…」

愛おしそうに頬を両手で包んでくれる

私もジョシュアの香りが好き

こんなに汗だくでも…

私は最後の絶頂を受け入れる為にジョシュアの首に腕を回した

そして私は全て彼に染められる…



🍀END🍀



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