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過去から未来へ…~キースとゼン~3

遠い昔…

まだ少年だったキース様が睡魔に襲われて執事になりたての俺の肩で眠ってしまわれた時を思い出した

あの時から俺にだけは気を許してくれたのだと思うのは自惚れだろうか

「俺だって重圧に押しつぶされそうになることだってあるさ…」

呟くような声に肩を貸しながら聞き入る

「けど他国の奴らには言えねぇ…弱みを見せたらつけ込まれる」

「皆様お優しい方ばかりではないですか」

どの方もキース様の弱みにつけ込むような方々ではない

しかし国政が絡むと事は別問題になる

どんなにお優しいエドワード様であったとしても

自国が存続の危機ともなれば心を鬼にして大国リバティに相対しなければ国民を見殺しにしてしまう

例えキース様にでさえ刃を向ける事もあり得るのだ

どの国の王子様方も何億という国民の生活をその背中に背負っておいでだ

重すぎると感じるのは…正常な事だ

《孤軍奮闘》

華やかな外見とは正反対の孤独で重すぎる責務

次期国王となる王子様方が生まれながらに背負わされた宿命だ

「順調満帆で何事もなく終わる事など何もありません。必ず物語には起承転結が付きものです」

俺の肩を抱いていた手はいつしか椅子の背もたれを握っていた

キース様の重みが消えた肩に少しばかりの寂しさを感じる

「平坦な道程をだらだら歩くのは退屈ではありませんか?」

「俺の性にあわねぇな」

「人は誰でも落とされ踏まれ揉まれて強くなるものです。ただ…神様はその力具合を人それぞれに変えているだけです」

「神なんか信じねぇけどさ。いるとしたら随分と俺には力を入れてくれたもんだな」

「入れ甲斐がございますよ。どう起き上がってくるか、どう撥ねのけてくるのか…私が神なら楽しみで仕方ございません」

「悪趣味だぜ…どSか」

「かもしれません」

「否定しないのかよ」

キース様は美しすぎるグリーンの瞳を丸く見開いてから少年のように笑った

「強くなると信じられる者には試練を与えます。期待を込めて…です。キース様がリュークを叱責するのと同じですよ」

「期待…してるのか?俺があいつに…」

首を傾げながらキース様は空になったグラスをマスターに見せて代わりを受け取る

「まぁ…あいつじゃなきゃダメ…な時もたまにはあるか」

素直じゃない言い方は昔から変わらない

リュークが慣れるには当分時間がかかるだろう

「絶対神ってぇのは超どSだ!けど、ちまちま小さないざこざに付き合わされるくらいならドーンと来てくれた方が遣り甲斐はあるな」

それでこそキース様

幼い頃から負けず嫌いな強い瞳をいつも向けていた

来るなら来い!と挑むような瞳に執事になりたての俺ですら将来の大物ぶりが想像出来たものだ

「…やるしかないのか…」

言い聞かすように呟くキース様は薄暗い店の中で光を放っているように思えた


~つづく~



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Category - 番外編☆執事編☆

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