氷室に解剖結果での疑問点を聞きたくて奴がいるという喫茶店まで出向いていった
喫茶店…だと思った
そこは到底俺だけでは入っていけない店だった
「ね~?だから俺がついてきて正解だったでしょー」
能天気に隣で野村が笑う
「お、おう…」
この時ばかりは野村のどこにでもぐいぐい入っていける性格に感謝する
レ・クランというチョコレート専門店に行って来ると伝えると
チョコレート、いや、ショコラとか言うのが正式なのだと花井が笑いながら教えてくれた
なにが違うんだ…?
「チョコレートは原材料です。板チョコなどですね。ショコラはそこから加工したものです」
「チョコレートは英語で、ショコラはフランス語ですよ~ボス」
京橋と八千草もレクチャーしてくれた
「食パンとトーストの違いみたいなもんやな!」
「…違う」
満面の笑みの天王寺の横で浅野は首を傾げていた
俺の感覚は天王寺に限りなく近い気がする
とにかくそんな今流行りの店になぜか氷室が通いつめ
今もいると言うので野村と共にやってきたんだが…
「なんで平日の夕方にこんなに若い女ばっかりがいるんだ…?」
学校や仕事の時間じゃねぇのかと思っちまう
「そんな事言ったって俺と洋くんだってここにいるじゃん~征司くんもね」
野村は全く気にせずずんずんと店の奥に入っていく
「あっ、やっほ~♪一吹くん」
野村はコックコートの男に手を振る
「ああ、野村さん、いらっしゃい」
声を掛けられた男もそつなく笑顔で返す
するとなぜか客がざわめき、小さな悲鳴が聞こえたりする
「違うタイプのイケメン登場~!」
そんな声になぜだか野村は当たり前のように手を振って行く
っていうか、あいつも常連か?
聞けばバレンタインデーのお返しとやらを毎年大量購入しているらしい
「レ・クランのショコラだって言うだけで女の子の間で好感度がぐいーんと上がっちゃうんだよね~」
野村は胸を張って断言する
「下心に下心のお返しなど意味がわからん…」
野村が現れた事で不機嫌そうに顔をしかめる氷室は
それでも店のスタッフに言って席を作ってくれた
「一段落ついたら瀬名にも来いと言ってある。この際一緒に帰れ」
俺がそう言うと氷室は日頃ラボでは見せない柔らかな表情になった
女の力ってすげぇな…と思う
まぁ、人の事言えねぇけどな
ほんの数分打ち合わせをして後はどうって事のない話になる
これも指揮官である副参事官と現場の課長と証拠固めをしてくれる監察医とのコミュニケーションだと野村は無理矢理理由をつけて居座る
要は氷室に絡みたいだけだろうが…
この正反対の性格の2人が付かず離れず長年いるのも不思議なもんだ
「氷室先生のお友達でしたらいつでも歓迎ですよ。時間外でもね」
コックコートの男が柔らかく微笑む
2課にはいねぇタイプだ…つーかデカにはいない
「それよりか今度一吹くん合コン行かない?絶対盛り上がると思うんだけどー」
「やめておけ一吹。こいつに関わると一期一会の会とやらに引きずり込まれるぞ」
野村の誘いを氷室がガッツリ制する
保護者か…
「もう一期一会は卒業したので…」
「え~残念」
なにが残念だ
こいつも野村タイプだったか…
モテることには間違いないだろう
いかにも女にマメそうだ
なぜかそういう連中が氷室に懐いて群がる
「なになに~洋くん、俺達に見とれちゃってぇ」
「バカ言うな!気色悪りぃ」
「じゃあ、なに?」
「氷室と正反対の性格の男がなんで懐くんだろうなって思っただけだ」
「正反対って俺と一吹くん?」
「おう…女に関してな」
俺の言葉に野村と一吹という男が顔を見合わせる
「…征司くんと同類を探す方が難しいと思うけど…」
「ですね…」
2人が同時に言って氷室を見るが
全く気にせず氷室はコーヒーを口にしていた
~つづく~
喫茶店…だと思った
そこは到底俺だけでは入っていけない店だった
「ね~?だから俺がついてきて正解だったでしょー」
能天気に隣で野村が笑う
「お、おう…」
この時ばかりは野村のどこにでもぐいぐい入っていける性格に感謝する
レ・クランというチョコレート専門店に行って来ると伝えると
チョコレート、いや、ショコラとか言うのが正式なのだと花井が笑いながら教えてくれた
なにが違うんだ…?
「チョコレートは原材料です。板チョコなどですね。ショコラはそこから加工したものです」
「チョコレートは英語で、ショコラはフランス語ですよ~ボス」
京橋と八千草もレクチャーしてくれた
「食パンとトーストの違いみたいなもんやな!」
「…違う」
満面の笑みの天王寺の横で浅野は首を傾げていた
俺の感覚は天王寺に限りなく近い気がする
とにかくそんな今流行りの店になぜか氷室が通いつめ
今もいると言うので野村と共にやってきたんだが…
「なんで平日の夕方にこんなに若い女ばっかりがいるんだ…?」
学校や仕事の時間じゃねぇのかと思っちまう
「そんな事言ったって俺と洋くんだってここにいるじゃん~征司くんもね」
野村は全く気にせずずんずんと店の奥に入っていく
「あっ、やっほ~♪一吹くん」
野村はコックコートの男に手を振る
「ああ、野村さん、いらっしゃい」
声を掛けられた男もそつなく笑顔で返す
するとなぜか客がざわめき、小さな悲鳴が聞こえたりする
「違うタイプのイケメン登場~!」
そんな声になぜだか野村は当たり前のように手を振って行く
っていうか、あいつも常連か?
聞けばバレンタインデーのお返しとやらを毎年大量購入しているらしい
「レ・クランのショコラだって言うだけで女の子の間で好感度がぐいーんと上がっちゃうんだよね~」
野村は胸を張って断言する
「下心に下心のお返しなど意味がわからん…」
野村が現れた事で不機嫌そうに顔をしかめる氷室は
それでも店のスタッフに言って席を作ってくれた
「一段落ついたら瀬名にも来いと言ってある。この際一緒に帰れ」
俺がそう言うと氷室は日頃ラボでは見せない柔らかな表情になった
女の力ってすげぇな…と思う
まぁ、人の事言えねぇけどな
ほんの数分打ち合わせをして後はどうって事のない話になる
これも指揮官である副参事官と現場の課長と証拠固めをしてくれる監察医とのコミュニケーションだと野村は無理矢理理由をつけて居座る
要は氷室に絡みたいだけだろうが…
この正反対の性格の2人が付かず離れず長年いるのも不思議なもんだ
「氷室先生のお友達でしたらいつでも歓迎ですよ。時間外でもね」
コックコートの男が柔らかく微笑む
2課にはいねぇタイプだ…つーかデカにはいない
「それよりか今度一吹くん合コン行かない?絶対盛り上がると思うんだけどー」
「やめておけ一吹。こいつに関わると一期一会の会とやらに引きずり込まれるぞ」
野村の誘いを氷室がガッツリ制する
保護者か…
「もう一期一会は卒業したので…」
「え~残念」
なにが残念だ
こいつも野村タイプだったか…
モテることには間違いないだろう
いかにも女にマメそうだ
なぜかそういう連中が氷室に懐いて群がる
「なになに~洋くん、俺達に見とれちゃってぇ」
「バカ言うな!気色悪りぃ」
「じゃあ、なに?」
「氷室と正反対の性格の男がなんで懐くんだろうなって思っただけだ」
「正反対って俺と一吹くん?」
「おう…女に関してな」
俺の言葉に野村と一吹という男が顔を見合わせる
「…征司くんと同類を探す方が難しいと思うけど…」
「ですね…」
2人が同時に言って氷室を見るが
全く気にせず氷室はコーヒーを口にしていた
~つづく~
Category - 特捜×ショコラティエ コラボ