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真夏の夜の怪奇~ウィル~7

Category - 番外編
「クロード」

「はい」

振り返る事なく呼びかけると思った以上に近くから声がした

ヤツなりに俺を守ろうとしているのだろう

「お前の個人的趣味にもう少し付き合ってやる」

「…畏れ入ります」

「エリザベート伯爵夫人はなぜ吸血鬼になった?生まれながらではないのだう?」

「はい…エリザベート伯爵夫人は15歳で格下貴族に嫁ぎました。留守にしがちな夫への不満により残虐行為に発展したと言われております」

「子供は…?」

「6人おります」

「夫が不在がちなのにか?」

「男女問わず愛人を多数持ち…偏った性欲が残虐行為に変わったと…」

「そうか…」

ノエルはただ邸宅の横を車で通っただけだ

一般道として毎日何千何百と車は通行しているはずだ

その中からノエルを選んで憑依したというのか

それは…俺が同じように多忙で逢えないでいたからか

ノエルはそれを不満に思っていたのだろうか

思っていても口にする事は無いだろうが…

「ノエル…寂しかった?」

俺は屈み込んで、唸り続けているノエルの顔を見つめた

相変わらず真っ赤な瞳が俺を睨みつけ、吸血鬼のように口元は醜く歪んでいる

「帰ってきたよ…ただいま」

俺はノエルに手を差し伸べた

「ウィル様!危険です!」

クロードが叫ぶ

が無視する

「しばらくは国内だ。今日からは一緒に眠れる…やっと君を抱きしめて眠れるよ」

「ウゥゥゥゥ…」

「ずっと食事も1人だったんだろう?ごめんね…明日の朝からは一緒に食べよう」

「ウゥゥ…」

唸り声が少し収まった気がした

「約束してた遊園地デート…行こう。ノエルの言ってたアイスクリームの入ったシュークリームだっけ?その店も寄ろう」

国内にできた大きな観覧車のある遊園地だ

出張に行く前にノエルが楽しそうに雑誌を見ていた

その近辺にある美味しいお店特集とかも

ベッドの下に隠していたのはそんな庶民の雑誌を…と、クロードに叱られるからか

「おいで…」

俺はノエルに近づいた

そして…

「グゥウウウ…」

唸り声をあげたままのノエルを抱きしめた

「ウィル様!」

クロードは叫ぶが近づけなかった

「寂しい思いをさせてすまなかった…」

「ウゥゥ…」

「ずっと…一緒だよ」

「ウゥ…」

「…愛してる」

「ウ…」

強張っていた体から力が抜けて行くのがわかった

「ノエル…」

ゆっくりと髪を撫でながら頬を寄せた

「ウ…ィル…」

ノエルが俺の名前を呼んだ

それは悪意に満ちた低い声ではなく

可愛いいつものノエルの声だった

ちょうど寝起きでちょっと寝ぼけている時みたいな…

「ノエル…」

「ウィル…お帰りなさい…」

「うん…ノエルもお帰り」

悪意の世界から戻ってきてくれた

エリザベート伯爵夫人は消えた

「寂しい…って」

「うん?」

「エリザベート伯爵夫人が…寂しかったって。私と一緒だって…」

意識はあったのか…

ノエルの中でノエル本人とエリザベート伯爵夫人が戦っていたんだ

「でも私…寂しくないって…言ったの…だってウィルは必ず帰ってきてくれるもん…ノエルが好きだよって言って…」

「ああ…その通りだよ」

俺がそう言うとノエルはほっと息を吐いて俺の胸にもたれてきた

「私…幸せだから…」

「寂しくない?」

「ちょっとだけ…でも大丈夫…一人ぼっちじゃないもん。クロードさんもいてくれるし…」

それは必要ない

「我慢しなくていい。我慢するから自分と同じだとエリザベート伯爵夫人は思ったんだろう…素直に言葉にして」

「うん…ウィル…」

「ああ…」

「ずっと朝までギュッてしててくれる?」

「わかった…」

ノエルの頬に手を当てて上を向かせると

そこにはまん丸の可愛い瞳が潤みながら俺を見つめていた

もう赤く光る瞳は消えていた

「ウィル…」

「キスしていい?」

「…して…いっぱい」

ノエルは照れながら、でも甘えるように俺の腕を掴んだ

俺はその濡れた唇をそっと包み込んだ

最初は柔らかかったけれどいつしか貪るように啄んでいた

クロードとクレアはいつの間にか消えていた



その夜、俺達はいつになく激しく愛し合った

ノエルが今までになく素直に求めてくれたから…

もっとって言われたら男は応えないとね…



もう迷わせない

もう誰にもつけ込ませない

俺だけのものだから…



じゃあ…ノエル

もう一回ね…

今度は…後ろ…



🍀END🍀



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