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特捜×ショコラティエコラボ☆一吹と氷室センセ☆6

氷室先生の婚約者が一体どんな人なのか正体不明のまま月日は経っていった

一吹さんもすっかり元気になったけれど、それでも氷室先生はお店に来る度に一吹さんの状態を診てくれる

私達にとってそれはとっても大きな安心を与えてくれた

そんなある日…

「すいません!連れが先に来てるので…ごめんなさい!」

そう言いながらイートインコーナーに入ってきた女性がいた

丁寧に並んで待っている人達に頭を下げながら…

その生真面目さが好印象だった

「はい、どうぞ」

私はそう言って彼女を通すと、新しいお水とおしぼりを取りにいく

振り返ってどこの席に座ったかなと見回すと

氷室先生の前に座った

「えっ…」

氷室先生にアタックする女性は数知れず…(もちろん全部却下されるけれど)

声を掛けようとする女性は一吹さんがさり気なく遠ざけてきていた

今回もそれかも!

慌てて一吹さんの姿を探して辺りを見回していると

「なんだ、仕事は終わったのか?」

なんと!氷室先生が女性と喋った!

しかも凄く柔らかい表情で

「はい!明日と合わせて一日半お休みになりました」

「お前達が暇だというのは平和だということだな」

「征司さんもですね」

微笑み合う2人に違和感は全くなかった

「あれが噂の男勝りな婚約者さんかな」

いつの間にか横にいた一吹さんがふふっと微笑んでいた

「オーダー伺ってきます!」

ちょっとした記者魂にも似た感情が私の心に灯ったみたい

グレーのパンツスーツに長い髪を一纏めに縛っただけのシンプルな感じだけれど、クリッとした瞳に意志の強さと優しさが彼女を輝かせていた

それは私が彼女に勧めた一吹さんのケーキに仁さんのショコラを乗せて三斗希君がデコレーションした試作品を彼女が食べようとした時…

近くで見ていた女の子がウィンドウになかったそのケーキを食べたいと言いだしたのだ

彼女はにっこり笑って椅子から降りて屈み込むと、女の子と目線を合わせた

「一口食べてみる?あ、でも、こっちは苦い大人の味だからミルクコーヒー味にしようか」

「うん!」

女の子は満面の笑顔で彼女に寄ってきた

「これくらいならお口に入るかなぁ」

小さめに取って、あーんと言うと女の子は素直に口を開けた

パクッと食べるとにっぱぁ~と笑った

「美味しい!」

「美味しい?お姉ちゃんも食べてみようっと!ん~♪美味しいね!あのお兄ちゃんが作ったんだって!天才だね!」

「天才~♪」

彼女が見上げると一吹さんはびっくりしたような顔をしてからゆっくりと微笑んだ

「まいったな…」

照れたように言うと一吹さんも屈み込んで、女の子と視線を合わせた

「来週いちごいっぱいのケーキを作る予定だからまたおいでね」

「いちご好き!」

女の子は満足げに頷くと母親の元に帰っていった

「ありがとうございます」

一吹さんは彼女に頭を下げた

「あんなに小さくてもちゃんとケースの中を見てくれてるんですね」

一吹さんは苦笑交じりにふうっと息を吐いた

「年齢なく全て平等な客だと思えってことだろう」

氷室先生が言うのを素直に一吹さんは頷いている

「一吹兄…いついちごケーキ作るって言った?」

「咄嗟の思いつきだと思うよ」

「…一吹が決めたなら従うだけだ。三斗希、いちごにあうデコレーション考えておけよ。潤はいちごの仕入れ価格をリサーチ。華恋はどうせなら特集組む用意しろ」

仁さん達の声が後ろから聞こえてきて私達は弾かれたように動き出した

氷室先生の彼女はというと何事もなかったかのように美味しそうにケーキを頬張っていく

それはそれは気持ちいいくらい豪快に…

そんな彼女を見守る氷室先生の表情が本当に優しくって

本当に彼女が大好きなんだなと思う

私が氷室先生と一吹さんの仲に妬いてたのってなんだったのだろう

思わず笑っちゃう

「いらっしゃいませ!お待たせしました!」

私は次のお客様を案内しながら特集の構想を練るのだった


~つづく~



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Category - 特捜×ショコラティエ コラボ

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