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夢恋城へ…ようこそ…

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アルさんの日々の攻防~5~

所変わってリバティ城…

執務の合間でキースは一息を付いた

「キース様、お茶をお持ちしました」

「キース、シフォンケーキ焼いたの。召し上がります?」

タイミングよくリュークと瑠璃が執務室へと入ってきた

「ちょうど甘いものが食いたかったんだ」

「じゃあ、よかった!」

瑠璃とリュークが手際よく応接室のテーブルに紅茶とケーキをセットしていくのを見ながらキースはふっと笑った

「なぁに?」

「いや…平和だなと思ってさ」

「いいことじゃないですか…あっ」

瑠璃はケーキ皿を置こうとしてスマホがなった事に気付いた

その画面を見て、ふふっと笑った

「誰からだ?」

キースは訝しげに瑠璃を振り返る

「もっと平和なお国からですよ」

そう言うと瑠璃はキースの横に座った

「アルベルトさんの新居、無事に決まったんですって。ルーティア様からですよ」

「ああ、アルの家な」

キースも微笑んで紅茶に口を付けた

「それって…キース様がロベルト様に色々ご指南されてた時の事ですか?」

リュークはセットし終わってキースの後ろに控えてから口を開いた

「そうだ。ロベルトがどうやったらアルの目をかいくぐってハウジングセンターとやらに行けるかと聞いてきたからな」

「アルベルトさんの取り付ける発信機をかいくぐる方法…ですか?」

「ああ、いかにアルに内緒で家を決めるかって事だからな」

「内緒だからハウジングセンターですか…普通なら城に業者を呼べばいいんですからね」

「アルタリア城内でアルに秘密に事を運ぶのは国王様ですら無理らしいぞ」

「さすが…」

感心しきるリュークにキースはニヤリと笑う

「うちと真逆だな。リュークに知られずに何かするのは爺をデザートで釣るより簡単だ」

「その例え…複雑です」

落ち込むリュークにキースはくくっと笑う

「それでもバレて捕まるのがロベルトだけどな…あいつのツメの甘さはどうにもならねぇな」

キースは紅茶に口をつけてふうっと息をつく

「けど…珍しいですね。キース様が損得勘定無しにロベルト様に手を貸されるなんて」

リュークの言葉にキースがぎろっと睨むと慌ててリュークは頭を下げた

「単純にお友達だからですよね?」

瑠璃が切り分けたシフォンケーキを渡すとキースは受け取って嬉しそうに口に運んだ

「紅茶味か?ちょうどいい甘さだな」

近頃のキースは瑠璃の作った物は素直に褒めるようになっていた

性格が丸くなってきた…とリュークは思ったが

それは瞬時に打ち消された

「リューク」

「はい」

「ロベルトが決めたメーカーを知ってるか?」

「えっと…存じません」

そんな事知るわけない

リュークが憮然としていると瑠璃がこっそりとスマホの画面を見せた

それはさっき来ばかりのルーティアからのメールだった

そこに書かれているメーカー名をリュークは声に出した

「…ですか?」

「その会社の親会社はリバティに本社がある」

「国内最大手の会社ですよね」

「一見アルタリアの会社に思えるが大元はリバティだ」

「はぁ…」

「アルタリア国内では《アルタリア王室御用達》とかハクがつく」

「でもこの会社はアルタリアの会社って認識ですよね」

「それでも大元の親会社が《アルタリア王室御用達》と公言しても嘘じゃねぇだろうが」

「そう言われたらそうですけど…」

「リバティ国内でアルタリア王室御用達ってことは俺達アルフォード家が認めたと言っても間違いじゃない」

「ですね…」

「だったら大いにハクが付くだろうが。リバティ王室とアルタリア王室御用達だぞ」

「キース様は何もしてませんけどね」

リュークの声はスルーされた

「あの会社は今シャルルへ進出しようとしている。下手にシャルル国内で大手だとか言ってふんぞり返ってる会社より強くねぇか」

リバティ対シャルルでは互角だ

そこにアルタリアが付いたら…

「じわじわシャルル国内で育っていけばリバティから出向する国民も増える。シャルルで雇わずリバティから出向させれば失業率も…当然下がる」

キースがニヤリと笑うとリュークと瑠璃は思わず顔を見合わせた

「キースがしたのはロベルト様をいかにアルベルトさんから逃げられるか教えただけですよね」

それがリバティの失業率低下に結びつくのか

瑠璃は唖然としながらキースを見上げた

「後はその会社にリバティ国民を優先して使えよと《アドバイス》してやれば十分だろう」

「《アドバイス》…ですね」

アドバイスという名の強迫じゃないのかと思うリュークだがそこは黙って頷いておいた

「リバティ国民は豊かになる。アルベルトは新居を手に入れられる。アルタリアの会社も儲かる。誰も損しない。平和だな」

そう言ってシフォンケーキを平らげるキースをリュークと瑠璃はやっぱりこの人はただで動かなかったと改めて思うのだった





当然新築費用を出そうとしたアルベルトだったが、全額ロベルトが《自費》で持つようにと国王から通達があったのはその後すぐの事だった



🍀END🍀



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Category - 番外編☆執事編☆

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