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夢恋城へ…ようこそ…

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永き恋の始まり~オリエンス国王~2~

水害にあった地域の避難所はまだ混沌としていた

行方不明の家族を探す者

薬を求める者

避難場所の確保に奔走する者

父はこの非日常の悲しみに溢れた場所が嫌いだという

父を叱りつけた所でなにも変わらない事を悟っている母はさっさと動きやすい姿に着がえて先導する役人より前を歩いて行こうとして執事に止められている

そんな母の前で更に元気に炊き出しをしている女性がいた

「はい!大丈夫ですよー!おかわりは一杯ありますからね!たくさん食べて!」

大きな鍋からクリームスシチューをこれまた大きなスプーンで注いでは並んでいる人々に配っている

「熱いからね!やけどしないようにフーフーして食べるのよ」

子供にも満面の笑みで渡している

もちろん誰に対しても大盛りだ

「お、お嬢様っ!そんなたくさん注がれてはすぐに無くなってしまいます!」

そばにいた執事らしき初老の男がオロオロとしている

「無くなったらまた作ればいいじゃないの!ほら!次はミネストローネにしましょう!すぐに作らせて」

「そ、そんなお嬢様…それではお屋敷の材料が無くなってしまいます!」

「買えばいいでしょう!」

「そんなお金が…」

「なければ作りなさい!私のドレスでもアクセサリーでも売ればいいでしょ!」

…何とも豪快な…

あんぐり口を開けるしかない

「なかなか元気なお嬢さんだこと」

母は笑いながらその場を離れ、被災者達に声を掛けに行く

私はその《元気なお嬢さん》に気を取られながらも母の後を追った




そんな彼女に再会したのは父の知人である貴族の小さなパーティーだった

彼女は部屋の隅で同い年位の女性達と談笑していた

そこは明らかに他の《結婚相手を探しにきている》人々とは雰囲気が違った

純粋にパーティーを楽しんでいる

何も着飾らず、素のままで女性同士楽しそうだ

見ている方も楽しくなる

けれどもそれを非難する声もあった

「全く…何しに来てるのかしら」

「きっとお屋敷で食べられないものを召し上がりに来てるんじゃなくって?」

「ご自宅にはキャビアとかないのかしら」

「ご存じないのかも!」

キャッキャと笑い声が響く

「それにサンドラさんのドレスご覧になった?前も着てなかったかしら」

「そうね!何度か見たことがあるわ!よっぽどお気に入りなのね」

また笑い声が上がる

私は段々腹が立ってきた

《私のドレスでもアクセサリーでも売ればいいでしょ!》

避難所でなんて事なくそう言っていた彼女の声が頭の中にこだまする

自らのドレスやアクセサリーも売り払って被害にあった人々にスープを振る舞っていた彼女…

ただただ結婚相手を求めて着飾るだけの女達より輝いて見えた

私は自然と彼女に近づいて行った



~つづく~





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Category - 番外編☆国王編☆

1 Comments

オババ  

何て言うか……本当によくこのお爺ちゃまとも少し先で思うこの父からグレたんとアランが産まれたよ!お婆ちゃまとお母様だけの遺伝子で構成されてるんだね😃

何処に行っても、馬鹿な女はいるんだねぇ😞💨。

2020/02/17 (Mon) 09:20 | REPLY |   

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