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夢恋城へ…ようこそ…

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Depuis(あれから)~アンジェリーナとシェリル~

「この紅茶の味はどう?」

私が聞くとまわりに控えている執事と茶葉を用意している業者がビクッとして体を強張らせた

その様子が面白く思えて笑ってしまいそうになる

隣にいる婆やが咳払いをして暗にたしなめる

それも笑っちゃう

必死に笑いを堪えている私の横で10才のシェリルはカップを両手で持って香りを嗅ぐ

「なんか…高級感がないわ。春の若草が枯れた匂い?」

「まるでワインのテイスティングね」

私が堪えきれずに笑ってシェリルを見下ろすと、彼女は何でも無いという顔をしてカップを置いた

「口直しにフォートナム&メイソン ロイヤルブレンドのミルクティーが飲みたいわ」

「…ですって」

私が執事に目をやると思いっきり走って出て行った

茶葉の業者がガックリと肩を落として出て行った

「ミルクティーって言うところがまだ子供なのにね」

私はシェリルの横に座って綺麗な金髪を結んでいる髪飾りを直してあげた

「だってミルクの味にも負けない茶葉ですもの」

「そうね。イギリス王室御用達だもん。さすがシェリルね」

こんな子だから我が家の紅茶の茶葉を新しく入れる時には呼んでテイスティングさせるの

「シェリルは大人になったらもっと注文が多くなるのかしら」

「だったら注文を聞いてくれる所にお嫁に行くわ。美味しい紅茶を飲めない所なんて嫌よ」

「まぁ、きっとそうなるわ。貴女を下級貴族に降嫁させるなんて私が許さないから」

血の繋がりはないけれど可愛いくてしかたがない私の妹のようなシェリルを絶対一流以下の男には渡さない

自分の事はさておき私はそう誓ったのだった






それから10年後…

シェリルが付き合いたいと告白されてOKした

今まで無数に告白されては全部振って来たのにね

それが…




「…私なわけだな」

リバティ国王ジェームスが似合わない照れ笑いを浮かべて横を向いた

「もう…何年前の話なの」

シェリルも照れて今はシャンパンを口にする

今日もミッシェル城のパーティーは優雅な時を刻んでいる

あの事件以来外出を抑えていた私にシェリルが声をかけ、ほぼ無理矢理出席させられたパーティーだった

つい現実逃避で昔話をしてしまう私にシェリルもジェームスも付き合ってくれている

本当になんていい人達…

シェリルはこんなに優しい人と出逢ってよかった

あれから私はフィリップの王妃に

シェリルはリバティの王妃になった

更に20数年が経ち

今は互いに生んだ息子達の戴冠式を目前にしている

「王妃の役目を譲ったらまたのんびり紅茶を選びましょうねシェリル」

ようやくいつもの雰囲気に戻って未来を語れるようになった

「あの時よりもっと注文がうるさいかもしれないわよ」

素直じゃないシェリル

「大丈夫よ。貴女の旦那様は世界一高い茶葉だって月の裏まで買いに行けるでしょう?」

それはお金持ちという訳ではなく、未だにそれだけシェリルにべた惚れのジェームスだから…よ

わかっているのかジェームスは聞こえないふりをして横を向いている

意外と私、ジェームスをからかうの好きなの

ふふふっと笑いがこみ上げてしまう

「もう…悪い癖よ。笑いを堪えて一人で肩を振るわせてるの」

そういうシェリルもふふっと笑う

色々あったけど私達の友情は壊れない

遠く見れば私の息子ウィルとシェリルの息子キースもなんだか楽しそうに笑っている

頼もしい私達の息子達

いいえ

次期国王達

平和に仲良く国を治めてと切に願う

「さあ、音楽が変わったわ!踊りましょう」

シェリルはそう言ってジェームスの腕を取った

「アンジェリーナ様も是非リチャード様と踊ってください」

シェリルはまたふふふっと笑ってドレスを翻して優雅な足取りでホールの真ん中に行ってしまった

見れば我が夫はこっそりと壁際で話し込んでいる

あの事件から一気に老け込んでしまったわ

もう…!まだ私がハッパをかけないといけないのね

私がシェリルに押されたようにね

私は凛と胸を張ってリチャードへと歩いて行って

目の前でドレスを両手で摘まんで一礼した

「リチャード国王様、私とドレスを踊って頂けますか?」

まだまだ引退させませんわよ!ウィルが即位するまでは私達が国王と王妃なのです!

目が点になっているリチャードを私は引きずるようにホールの真ん中に引っ張っていった

そしてシェリルとジェームスの横に並ぶ

お互いに顔を見合わせて微笑む

「笑っていれば道は開ける…私が言うと嘘くさいか?」

ジェームスがシェリルの顔を見て呟く

「いえ、その通りです。日頃笑わない貴方だから真実味があるのよ」

「…そうか」

変に納得させられるジェームスがおかしくって私は笑ってしまう

「ほら!リチャードも笑う!」

ちょっとヒールで蹴飛ばすと貼り付けたような笑顔が返ってきた

これからもこんな夫婦でいいかしら

鳴り始めた演奏に私達はステップを踏み始めた


まだまだダンスだってシェリルに負けないわよ!




🍀END🍀




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Category - 番外編☆国王編☆

7 Comments

オババ  

やったぁ😆🎶王妃様とプリンセス😆🎶✨

確かにドレスヴァンは何しゃべる?(笑)

王妃様の代わりに公務随行とかしてみる?特にオリエンスとフィリップは姫の株アップ⤴️⤴️出きるか?

ドレスヴァンは呑みくらべ(笑)

アルタリアは食べ歩き(爆)

シャルルは……?????

リバティはお料理教室か?

国王様となかいいのはリバティとアルタリアだけか?

2020/03/05 (Thu) 00:00 | REPLY |   

シェリル  

未だにベタ惚れって・・❤️
(キュンキュンする乙女)
アンジェリーナお姉様ってば、からかわないで❤️

ジェームス、ずっと大好きよ❤️
(ぴっとりひっついてダンス)

ジェームス君と踊りたい貴婦人がイライラ😂

2020/03/04 (Wed) 16:43 | REPLY |   

chika  

国王とプリンセス…

父親と嫁かぁ

オリエンスは喧嘩?
アルタリアは漫才←確定
フィリップは会話が成立するのか?
シャルルはほぼエドワードと変わらないような…
ドレスヴァンは何喋るん?
リバティは爺とアレック参戦?←これは面白い(笑)

王妃とプリンセスは考えよう🎵

2020/03/04 (Wed) 14:38 | REPLY |   

ギルベルト  

…どM…

2020/03/04 (Wed) 14:29 | REPLY |   

リチャード  

っ、痛っ😵

アンジー😵酷いよ。ヒールで蹴るなんて👠

でも、そんなアンジーも大好きだよ。

2020/03/04 (Wed) 09:47 | REPLY |   

あや  

アンジーお姉様はやっぱり素敵だわ✨姉御肌でリチャード君の尻を叩いてシャキッとさせる!あ、今日はヒールでこっそり👠蹴りを入れましたが😂そうそう、お姉様が葉っぱをかけ続けるようにもうなってるんだよ😂確かに老け込んだかもしれないけど重荷から解放されたからこれから若々しくなる!絶対😊
アンジーお姉様、シェリルちゃんをずっと可愛がってきてお互いにあの事件の時は苦しかっただろうけど、よかった✨

2020/03/04 (Wed) 09:37 | REPLY |   

オババ  

ホールの真ん中でヒールで蹴られる国王と蹴る王妃(((*≧艸≦)ププッ

王妃様どうしの友情が国を繋ぐ✨

これ、瑠璃ちゃんだと真鈴ちゃんかな?ノエルちゃんはプリンセス全員で支えるって考えるわぁ(笑)

ふと思ったんだけど、Chika様王妃様とプリンセスの小話ってどうでっしゃろ?もしくは国王とプリンセス(笑)色んなの読んでみたい(o´艸`o)♪

2020/03/04 (Wed) 09:24 | REPLY |   

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