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🌻オリエンス王妃の恋バナ🌻


今日も花束が届いた

一緒にドレスも

昨日は靴

一昨日は…なんだったかしら

毎日毎日だと忘れるわ

「サンドラ様!ウォルト王子様にお礼のご連絡をなさってください!」

執事がうるさい…

「代わりにしておいてちょうだい!私は忙しいの!」

「何にもしてないようにお見受けいたしますが」

「考え事してるの!」

もう…1人にしておいて欲しいわ

ウォルト王子とはパーティーで知り合い、ボランティアの資金援助をお願いした

王子は快く頷いてくださり、私達の活動は潤った

被災地に配る物も増えたし、行ける場所も増えた

ボランティアの範囲は果てしなく広い

被災した人に何かすればいいというものではない

心のケアも必要

家族同然だったペット達の救出も必要

病院が立ち直らなければ病気の人達の安泰もない

学校が戻らなければ子ども達の居場所がない

子供達が登校しなければ親は働けない

働かなければ経済は動かない

経済が動かなければ国は衰退する

それをコンコンとウォルト様にお話しした

次期国王様なのだからそこはしっかりとわかって頂きたい

国のお金を動かせる方なのだから

ウォルト様は

「ほぉ~」

「うんうん」

「なるほど…」

を繰り返し

わかってくださっていると…思いたい

だから、こんな毎日毎日高価な花もドレスも要らないのだ

お礼の電話をしても最後にはパーティーのお誘いが来る

援助して頂いている手前無碍にも断れず

頂いたドレスを着て参加するのだけれど

憂鬱…

だって会場にみえる女性はほぼ上流階級のお嬢様達

身のこなし方も優雅なことこの上ない

私のような下級貴族がいる場所じゃない

ましてや王子様のエスコート

視線も痛い

「私はそんな事気にしないよ」

ウォルト様はにこにこ笑いながら私の手を取ってダンスの輪に加わる

「へぇ~ウォルトが笑ってるぅ~」

そばに来られたのはギルベルト王子様

近隣諸国で最年少の王子様らしい

少年ぽくって屈託がなく、裏表がないだろうというのが一目で分かる

「ウォルトを笑顔にできるって凄いね!身分や年齢じゃないって最高の証明じゃん」

…そうなの?

確かに
身分やウォルト様より年上だっていうのも心を開けなかった理由の一つではあるけれど…

ここは私のいる世界じゃない

それをウォルト様に伝える

「世界観は既成のものではない。自分で作るものです。貴女が創造するものです」

…よくわからない

私は決断できないまま悶々とした日々を過ごしていた




そんなある日…

ウォルト様は国王様と海外出張に出かけられた

これで舞踏会へのお誘いは取り敢えずない…

ホッとしている自分と

どこか寂しく思っていることに自分で驚いた

ボランティア活動が収まっていた時期でもあり、私は自宅でのんびりとしていた

「お、お嬢様っ!!」

執事が転がるように部屋に入ってきた

「どうしたの!?落ち着きなさい!」

「落ち着けません!王妃様の御使者様がおみえです!すぐにお仕度を!」

王妃様!?

唖然とするも、御使者様をお待たせするわけにもいかず、私は大慌てで支度をして

慌ただしくお迎えのリムジンも乗せられ…

案内されるまま王妃様がおみえになるという応接間に通された

「サンドラさん、ようこそ」

初めてお会いする王妃様はニコニコとされて威厳よりも人のよさが滲み出ているお方だった

私が緊張しながら挨拶をすると早速座るように促される

絶妙のタイミングで紅茶が出された

「さてと…サンドラさん」

王妃様は優雅に一口飲まれた後私の目を真っ直ぐ見てこられた

「貴女はウォルトとお付き合いしているとか…」

「い、いえ!お付き合いという程の事はありません!たまにパーティーにエスコートして頂いたり、ボランティア活動に援助して頂いたり…その程度、…です」

「あら!お付き合いしてないの?私はウォルトから将来を見越してお付き合いしている女性がいると聞いておりますのよ」

…頭が痛い…

「…やっぱりウォルトの一人よがりでしたか」

王妃様はこめかみを押さえて俯かれた

「私はね、サンドラさん。我が夫国王と王子ウォルトは似た者同士だと思っているの。気が小さくてプライドが高くて負けず嫌いで…」

身も蓋もない…

「けれどもそれが長所に変わる時もあるのです。大きな賭けに出ない。平和主義。楽天的…おかげで私が主導権を握れたりするのです」

確かにオリエンスは王妃様で保っているとずっと言われてきた

その通りだったのね

「ですからウォルトの嫁も何でも言うことを聞く深窓の姫君や、ブランド志向の強い贅沢が大好きな金銭感覚が壊れた姫君は相応しくないと思っております」

…なんていっていいやら

「サンドラさんとお付き合いしていると聞いて貴女の事を調べさせて頂きました。これは当然の事だから怒らないで頂戴ね」

「はい」

「貴女ならウォルトの手綱をしっかりと握れると思ったの」

王妃様はずいっと私に顔を寄せた

「貴女のやっているボランティア活動も今はウォルト頼りになっているわ。人によっては王家にたかっていると言う者もいる」

「…存じております」

なにをしても反対する人間は存在するのだ

「だったらご自分に手で仕切ってみたくない?」

「え?」

「王妃がボランティア活動に熱心であっても誰も文句は言わないわ。美談にこそなれ…ね」

「それって王妃様…」

私に王妃になれと?

ごくっと息を飲む私に王妃様はゆっくり肯いた

「もう一つ私には夢があるのです」

王妃様はにっこりと笑った

「国王と王子にはある程度見切りをつけました。私の夢は次の王子をしっかりとした優秀な王子に育てる事です」

「は?」

目が点になる…

「私と貴女とで次期王子をしっかり育てるのです!それがオリエンスの未来に繋がるのです!サンドラさん!」

王妃様はガシッと私の手を握った

「オリエンスの未来のため、ウォルトをお願いします!そして優秀な王子を産んで頂戴!」

偉大なる王妃様に手を握られ、私は呆然と立ち尽くした





これがきっかけだったと後から思えばそうだったと思う

私はウォルト様とのお付き合いを前向きに考えるようになった

よくよく思い返せばウォルト様は優しい

私には心を開いて微笑んで下さる

私のすることを否定しない

自由にやりなさいと寛大だ

これから少しずつ好きになっていけばいいのかしら

…と決心はしてみた

国王様からずっと反対され続けたけれど裏で王妃様が支えてくださった事も大きい

そうして結婚した

やがてグレンが生まれた

王妃様の精神面での帝王学をしっかり吸収してグレンは立派な次期国王に育った

本当にできすぎる程のいい息子

身分違いで年上の彼女を選んだ所だけ父親に似たけれど…



グレンがしっかりしているから私はお嫁さんにハッパをかける必要はない

いずれミラにもボランティア活動を引き継いでいこうと思う

皇后、王妃、プリンセスの3人で炊き出しってよくない?

オリエンスは安泰

私の夫選びは間違ってなかった



…と思います


…多分




🍀END🍀




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Category - ç•ªå¤–編☆国王編☆

4 Comments

アレック  

ストーカー、、、あ、失礼致しました💦
ウォルト国王様のぞっこんぶり、ストーカーぶりはすざましかったですな。まぁ国王様方が王子時代の話しではございますがね。
フレディ様もウォルト様をネタにしてはクラウス様と笑って呑んでましたな。

2020/03/12 (Thu) 20:21 | REPLY |   

オババ  

👏👏👏👏👏👏🎉✨😆✨🎊👏👏👏👏👏👏

おめでとうございます( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

印刷物として出版してほしいくらい大好きです✨

Chika様のキースが好きすぎて、本家が霞んでるもん(笑)

これからも、楽しませてもらいます🎵

2020/03/12 (Thu) 19:21 | REPLY |   

chika  

オリエンスは難しかったぁ~😅
だって思い入れゼロだもん~あの国王様に(笑)

グレンのパパじゃなかったら救いよう無いしね(^◇^;)

そう言え46000拍手突破しました❗❗ありがとうございます~💓💓💓

2020/03/12 (Thu) 18:56 | REPLY |   

オババ  

朝から笑いすぎて腹痛い。゚(゚^∀^゚)゚。

見切られてた!国王とウォルト見切られてた!!10年のストーカーの裏にこんな事情があったなんてぇ(((*≧艸≦)ププッ

最強の味方が王妃様!怖いもんないぞ!!グレン君はしっかり育ったからオリエンスは安泰だ🎵

2020/03/12 (Thu) 07:57 | REPLY |   

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