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🌻フィリップ王妃の恋バナ🌻

私がリチャードと出会ったのは多分10歳位だと思う

両親に連れて行かれたフィリップ城でのパーティーだった

お友達には王子様に会えるなんて凄いって言われたけど、王子様って言ってもたかが貴族の延長

貴族社会の頂点にいるだけで私達と何にも変わらない

むしろリチャードは色白で執事の後ろに隠れてるひ弱な男の子でしかなかった

「貴方王子なの?」

私が生涯初めてリチャードに掛けた言葉

「そうだよ…だめ?」

これがリチャードが生まれて初めて私に返した言葉

この先数え切れないほど交わされる会話の最初がこれ

なんか…全てがここに集約されていた気がするわ

「じゃあ私をエスコートしなさいよ」

「…僕でいいの?」

「私がしてって言ってるのに断る訳?」

「ごめんなさい…エスコートする…」

周りで執事達がオロオロしているのが妙におかしくって

このパーティーが凄く楽しかったのを覚えている

この日は私にとって社交界デビューの日

だから私はパートナーを自分で決めた



やがて月日は過ぎて行き…

その頃にはスペンサー家の事情も理解し始めていた

あの日のパーティーはリチャードの腹違いの弟、アンドリューの誕生日パーティーだったこと

王妃様だと思っていた一段と煌びやかだったのは実はリチャードのお父様の愛妾だったこと

リチャードのお母様、つまり本当の王妃様は静養という名目で遠い別荘に追いやられていること

そしてリチャードには生まれながらの婚約者がいること…

「でも会ったことないんだ…その婚約者って言う人」

リチャードはフィリップ城内の図書室で勉強をしながら、向かえ側で同じく学校の宿題をする私に言った

「あったことの無い人と結婚するの?」

「そうらしいよ」

「リチャードの好みは?」

「好み?」

「だって好みってあるでしょう?細い人がいいとか、元気な人がいいとか、お話が合う人の方が良いとか思わないの?」

「結婚って僕が国王になった時に王妃になる人でしょ?一緒に仕事するだけだから仕事できればいいでしょ…執事と一緒だよ」

「あきれた…リチャードにとって結婚ってそういうもの?」

私は唖然とした

世間知らずにも程がある

「結婚だよ?恋人するんだよ?手を繋いだりキスしたり…それ以上の事…するんだよ」

全く…女の私に何を言わせるのよ!

「だってお母様とお父様はしないじゃん…」

「そうだけど…」

これは育った環境が悪い

フィリップの国王様はリチャードのお母様を王妃としたままいわゆる幽閉し

多くの愛人側室を持ち、その愛人達をまとめて取り仕切っているのがアンドリューの母親で…

ううん違う

アンドリューも数ある側室の中の一人に産ませて、今の王妃面している女が育てているのだ

正式な由緒正しい血統はリチャードだけなのに!

「リチャード、もっと自信持ったら?唯一正統な王子様なのよ」

「うん…大人になるまで生きていれたらね」

「ああもう!辛気くさい!生きていたらじゃない!生きなさい!」

その日からリチャードと会うときは必ず運動をした

リチャードの執事にも毎日の運動のスケジュールを組ませ、監視させ、私に報告させた

「どっちが王家かわかんないや」

「運動に身分は関係ないの!」

私の横でゆっくり縄跳びをするリチャードに檄を飛ばしながら私は二重跳びを繰り返していた

子供頃は縄跳び、そこから水泳、マラソン、登山にハイキング、筋トレ…

リチャードだけだとなんだかんだと言ってサボるので出来る限り私も一緒に付き合った

リチャードもだんだん健康的になり

私もすっかりスポーツ体型になった

極細のピンヒールを履いて下を向かずにミッシェル城の階段を颯爽と降りて行けるのは体幹が鍛えられたおかげね

その技術はちゃんと妹分のシェリルに伝授した

私とシェリルが並んで歩くと周りからため息と賞賛の声が聞こえてくるのも快感だわ

リチャードはその私とシェリルが両端にいるのだからもっと胸を張って!

両手に極上の花よ!文句ある!?

アンドリューなんか気にしないで威張って歩きなさい!

貴方は第99代フィリップ王国の国王となるのよ!

私のスパルタ教育がよかったのか

リチャードは無事成人となり公務を1人前にこなせるようになった

ほっと息をついてふと思い出す

リチャードは…見たこともない女の人と結婚するんだって

結婚したら…あんな事もこんな事もして…子供が出来る

リチャードが…

…

…嫌だ

…

私以外とそんな事しないで…私ともしてないけど

そう思ったらリチャードが他の女性とダンスを踊るのも嫌になってきた

でもそれもお仕事だし

だから私かシェリルがパートナーとしてパーティーに出るようにリチャードの執事にお願い(脅迫)した

そうしてリチャードは唐突に私にプロポーズをしにやってきた

後先を考えない所は昔っから変わらない

私にプロポーズしたって現状を変えなければ未来はない

だったらどうするのか

…既成事実を作るしかない

それがわかったのかリチャードはゴクッと息を飲んだ

「アンジー…いいの?」

そこはバシッと奪ってよ!

俺に黙って抱かれろ!くらい言いなさいよ

「…言えないよ…でも大好きだよアンジー…」

もう…



…充分よ

「一緒に…立ち向かおう」

うん

「一生…大切にする」

うん…

わかったから…

「だから…」

私はちょっとだけため息をついて

リチャードにキスをした

さあ…リチャード

私のため息を甘く変えて…





私の息子達はリチャードの性格をちょっとだけ受け継いだようだ

あの時授かったスティーヴは責務の重さに耐えれず王位を捨てた。けれどセシルの事はちゃんと守った

次男ウィルは社交的ではないけれど、どんなに周りが反対してもノエルを選んだ

そしてアンドリューはこの世から消えた

ウィルの一世一代の決断だった

リチャードは心身共に疲れ果て、今は黙々とウィルに王位を譲る準備をしている

ウィルは立派な国王になるでしょう

その心配はいらない

問題は…

「ノエル!行きますよ!」

「あっ!はい!王妃様!あっ…きゃあぁあ!」

…今日も転んだ

この嫁はあの時のリチャードと同じだわ

自信と体幹がなさ過ぎる

鍛えてやらねば…!

久々に私の中の闘志に火がついた

とりあえず…

最新の水着を取り寄せましょう





まだまだ引退しませんわよ!

🍀END🍀




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私の明日からの活力になります┏○ペコッ


Category - ç•ªå¤–編☆国王編☆

5 Comments

アンジェリーナ  

男のくせに何いってるのよリチャード!
そんなだから弱っちいって言われるのよ!
私が付き合ってあげてるでしょう!さぁやるわよっ!
もたもたしないっ!
腹式呼吸いくわよ!リチャードは体温も低めだから代謝を上げるの!

2020/03/18 (Wed) 18:24 | REPLY |   

リチャード  

運動は室内にしようよ~日焼けすると赤くなっちゃうんだ(。>ω<。)←ウィルと一緒(笑)

2020/03/18 (Wed) 17:52 | REPLY |   

アンジェリーナ  

最初はストレッチや、ウォーキングから始めるわよ!
そう、しっかりストレッチをして身体をほぐすの!
柔軟性があがれば怪我しにくくなるのよ!
リチャードかたいわねぇ(><)
もう!すぐ謝らない!堂々としてなさい!王子でしょ!

2020/03/18 (Wed) 09:38 | REPLY |   

オババ  

10歳で生涯のマウント取った(((*≧艸≦)ププッ
アンジー様最高!!ノエル最高の味方を手に入れてるわよ✨頑張って体幹鍛えよう🎵

2020/03/18 (Wed) 08:32 | REPLY |   

あや  

アンジーお姉様突き抜けてていい!リチャード君の健康を考え体幹を鍛える笑!そして妹分のシェリルも鍛えるという、この姉御肌でぐいぐい感最高だよぉ(≧∀≦)
ノエルのこともしっかり鍛えてやってくださいまし。

2020/03/18 (Wed) 07:40 | REPLY |   

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