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夢恋城へ…ようこそ…

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第8章-53話

Category - 第8章
「アレック!!」

城内に大きな声が響いた

「はい!いかがなされましたか!?」

アレックは息を切らして執務室に駆け込んだ

ちょっとトイレに行っただけなのだが用事がある時にそばにいないと機嫌が悪いのだ

「書類が多すぎる!!」

バンっと机を叩くと山積みの書類が揺れて崩れそうになった

執務机に向かうクラウスは不機嫌そのものの顔でアレックを睨み付けた

「それは…仕方ありませんよ」

「なんでだよ!」

「もう小国リバティではないのです

一気に5ヶ国を全国統一したのはどなたですか

仕事量が増えて当たり前でしょう」

「うるさい!」

クラウスは怒鳴って後ろを向いた

「もっと部下を信用なさって仕事を分散なさってください

なんでもかんでも自分でやろうとするから…」

「人に振る前に自分がやってみなきゃわかんねぇだろーが 特に金関係は」

「そこももっと専門家におまかせください

クラウス様にはまだやることがおありでしょう?」

「ふんっ!」

アレックのいうことに反論できない

「はぁ…とりあえず各分野ごとの組織を確立するか」

「はい。今バラバラになっている物を統一されるのがよろしいのでは?」

「わかった!幹部を全員呼んでこい!」

「かしこまりました!」

アレックは飛び出して走っていった

忙しくなる!けれど興奮する

アレックは高揚感に体が満たされていた

自分の目の前でどんどんリバティが大きくなっていく

日に日にクラウスが偉大な国王になろうとしている

伝説が作られていく瞬間を毎日目に前で見ていられる

世界中でこんな幸福な執事がいるだろうか

ただ…

相当危なっかしいのは変わらない

そしてクラウスの野望は止まらない

「アレック!」

「はい!はい!なんでございましょう!」

また呼ばれて走ってくる

そのアレックの息が整わないうちに壁に貼られた地図を見つめていたクラウスが言いだした

「次は…この国が欲しいな」

ペンで指してニヤリと笑う

「……っ!」

さすがのアレックですら賛成も反対も言えなかった


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「アレック!」

「はい。なんでございましょう」

もう走る事はない

「この仕事はいつまでやるんだよ!」

「終わるまででございますよ」

「いつ終わるんだよ!」

「書類がなくなるまででしょうなぁ」

「ふんっ!」

こういう時の顔は本当にクラウスとキースはよく似ていると思い出し思わず頬が緩んでしまう

「なにが可笑しいんだよ!」

「これは失礼致しました。つくづくクラウス様と若は似ておられるなと思ったところでございますよ」

「爺様と?」

「書類作業がお嫌いでしたなぁと」

「好きな奴いるか!」

「ジェームス様は比較的お好きでいらっしゃいますよ」

「うちは隔世遺伝なんだよ!」

「では若のお子様に期待致しましょう」

「う~…」

また拗ねて唸る

「そう言えば…」

ふと思い出したようにアレックが口を開いた

「なんだよ」

「クラウス様がリバティ統一後にもう1つ国が欲しいと言いだした事がございました」

「もう1つ?どこだよ」

「シャルルはラティフィーヌ様がいらっしゃいますのであり得ません

ドレスヴァンとネルヴァンはどちらもリバティに協力を求めてきておりました」

「そりゃあリバティが付いた方が勝つからだろうさ」

「ええ。ですからクラウス様は無視しておりました」

「無視?」

「勝手にやってろと…勝った方と手を組んでやると」

「ははは!爺様らしいな」

「オリエンスは同じく島国でしたし領土が大きすぎました

アルタリアは別にいつでも手に入ると言われておりました」

「ロベルトの爺様が聞いたら怒るだろうな」

「当時の国王様と結構仲がよろしかったのですよ。ですから冗談です」

「アルタリアはキャラがずっと遺伝してんのかよ」

「常に平和なのがアルタリアの国風ですから」

アレックは懐かしそうに微笑んだ

今のロベルトやギルベルト国王にも似た人懐っこい面影のアルタリア前国王の若き日の顔が浮かぶ

「…ってことは、爺様はフィリップを狙っていたのか?」

「リバティとフィリップの間の海にはフレットアイランドの小島が点々としております

あの島々に橋をかけてフィリップまで繋げようとお考えでした」

「橋…ねぇ」

キースもニヤリと笑う

「それについてフィリップの国王様とお話ししようとされましたがフィリップから断固拒否されまして」

「なんでだよ」

「橋を作れば攻めやすくなるからとフィリップが恐れたらしいです」

「橋を作ってる間に攻めれるだろーが…なにも作ってから攻めなくても」

だいたい飛行機と言うものもある

「クラウス様も同じ事を仰ってましたよ

器の小さい国王だと笑ってらっしゃいました」

だから…

『攻めたらぶんどれるな…フィリップは』

そう言っていたらしい

「フィリップの国王って…あのアンドリューの親父ってことか」

キースは頬杖をついて器用にペンを指の間で回した

「絶対爺様と性格的に仲良くできねぇだろうな…

だったら攻め込んでもよかったのに」

やってできない事はなかったはずだ

「ノーブル様が仲裁に入らなければ攻めていたでしょうな」

「ちぇっ…残念」

キースはそう言いながらふと考える

その遺恨をアンドリューに引き継いでいないか?

いつか逆にリバティをぶんどれと…




~つづく~





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1 Comments

オババ  

本当にクラウス様とキースって似てるのね(o-∀-o)絶対遺恨をアンドリューに引き継いでるよ!!陰湿そうな先代だもん!!クラウス様に対する遺恨をくどくど言われてたのに、そっくりなキースに拒否されてリバティ乗っ取りを計画したか!?

アルタリアの先代国王見てみたい(笑)

2020/05/20 (Wed) 10:57 | REPLY |   

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