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第8章-58話

Category - 第8章
20年ほど前…

ふたりの姉妹は両親と一緒にリビングで団欒していた

テーブルの上には何冊もの雑誌

すべてに《ロイヤルファミリー》の文字が見える

「エミリーはどの王子様が好きかな?」

近隣6ヶ国の王子の写真を前に、父親が横に座る姉に聞く

「えっと…」

「私も見る~!」

妹が父親の膝によじ登ってくるとテーブルの上の雑誌をあれこれと手にする

「リリィ!持っていっちゃったら見れないでしょ」

「私が先に見るのー」

姉のエミリーが怒るが妹のリリィは全く気にしない

結局テーブルの上の雑誌はみんなリリィの前に行ってしまった

「エミリーはいつもリリィに譲ってあげてえらいわね」

母親が頭を撫でる

…譲ってあげたわけじゃないもん…

エミリーは心の中で思うが口には出さない

いい子でいると両親が喜ぶ事をすでに学んでいた

「私、この王子様~!」

リリィが指を指したのはロベルトだった

「じゃあ私は…」

エミリーは最初から決まっていた

テレビで見た時からずっとこの小っちゃな王子様は大人になったらきっと格好良くなると思っていた

子供ながら一目ぼれの初恋だった

エミリーは父親が微笑んで見守る中、写真に手を伸ばした…その時

「やっぱりこっち!」

リリィが目の前からキースの写真を奪い取っていった

「え…」

エミリーはキースの写真を抱きかかえるリリィを呆然と見つめる

「こっちが私の!」

そう言って雑誌を抱えたままソファの後ろに走っていった

エミリーにはわかっていた

リリィはエミリーがキースを選ぼうとしたのに気付いてロベルトの写真を辞めたのだ

エミリーのものは私のもの
私のものは私のもの

リリィはエミリーが欲しいものが欲しいのだ

私だってキース王子がいいのに…!

そう言おうと思ったのに

「そうね、リリィはキース王子と同い年ですものね。エミリーだと年上ね」

母親は怒ることもなく雑誌を抱えたリリィを膝の上に乗せた

「エミリーは本を読んだりするのが好きだからエドワード王子とか趣味が合いそうだぞ」

父親も怒ることなくエミリーに別の王子を薦めてくる

薔薇園の中で立つヒラヒラの服を着た王子様

写真なのにおとぎ話の中の王子様みたいだ

でも私は…

エミリーはキース王子がいいと言いたかったのにその時も黙ってしまった

それが自分の将来に大きく関わるなんて思いもしなかった



それから家庭教師がつけられてエミリーとリリィは別々のカリキュラムを組まれた

リリィには知識以外に運動も

乗馬やゴルフやもちろんダンスもだ

エミリーは音楽関係のカリキュラムが多かった

ピアノ、ヴァイオリン、フルート、ハープ…

オペラも小さなうちから鑑賞させられた

全てはキースとエドワードの趣味に合わせるため…



あの時キース王子がいいと言っていたら…

リリィがどんなに泣いて、どんなに両親に怒られても自分の意思を通していたら…



きっとマグレイン家の運命は変わっていた





20年後エミリーは独り暮らしを始めたマンションの窓から外を見つめながら思っていた

窓の外は道沿いにも綺麗に花が咲き誇っている

大学までの見慣れた風景

シャルルの街並みだった




~つづく~




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Category - 第8章

2 Comments

オババ  

リリィのジャイ子具合が半端ないんですけど💧それを許すマグレイン夫妻になにも言わないエミリー😞💨

自分が我を通してたらマグレイン家の運命は変わってた?いやいやいや、リリィが味わったものをエミリーが味わうだけで結果同じじゃね?瑠璃ちゃんがいるもん🎶マグレイン夫妻の思惑とかアンドリューの思惑とかなしでもエミリーはキースに声すらかけられたことないんでしょ?年上って言われたってたかが1学年、リリィとエミリーは5ヶ月しか違わないんだからもんだいないし……

エミリーが回想してるなかに瑠璃ちゃんの事故が出てくるのかな?

2020/05/25 (Mon) 12:22 | REPLY |   

あや  

完全に私の中では闇が深い少女にしかみえない😂

2020/05/25 (Mon) 12:12 | REPLY |   

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