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第8章-72話

Category - 第8章
ニーナの高笑いに全員が凍りついた

笑顔を絶やさないパリスも

冷静なゼンも

何かあったらすぐに飛び出すつもりだったリュークも

別室の王子達もだ

「…失礼だが…ご子息が亡くなった話でしたよね」

「そうですわね」

「笑って話せる話ではないのでは?」

「当然の事が当然のように起こったので納得しただけですわ」

ニーナの全く悪びれもしない笑顔はティナそっくりだった

「……」

キースは一瞬鳥肌が立った

この女は…

アンドリューの母親、いや

アンドリューを生んだ女は自分が生んだ息子の死を予想し、その予想が当たったからといって笑うのか

「なぜアンドリューがリバティに手を伸ばそうとしたのか なぜフィリップの前国王様があんなにもリチャード王子を排除しようとしたのか

お知りになりたいのではなくって?」

「確かに当事者しか知り得ない情報は貴重ですね」

パリスも努めて冷静に対応する

本当はこの温厚なプーさん王弟殿下も心の中では沸々とたぎるものがあった

だがせっかく自ら出てきた生き証人から引き出せるものは引き出したい

決して怒らずじっくりと話を聞き出す性格は兄譲りのようだ

「大変興味がありますよ。私までの長い道のりのツテを頼って来てくださったのですから、さぞかし重要なお話でしょう

ぜひゆっくりお伺いしたいものです」

「そうでしょう?ですからパリス殿下…」

「はい」

「この情報、買っていただきたいの」

「は?」

「まさかただで情報だけを提供しに来たと思っていらっしゃいますか?」

不敵に微笑むニーナはもはやフィリップ国王の元に来た頃の可憐な少女のイメージは無くなっていた

親に売られ、見ず知らずの男に孕まされ、子供を取り上げられて自身は捨てられ

その後愛した男には妻がいた

細やかな養育費だけで生まれた娘を育ててきた

その逞しさが少女を歪んだ女に変えたのか

「……」

王家相手の上から目線の態度にパリスはニーナの顔から目を反らせないまま固まっていた

穏やかに暮らしてきたパリスには遭遇したことのないタイプだろう

「…俺が行くか…」

モニターの前のキースが腰を上げた

…と

パリスがふふっと笑みをこぼした

「おいくら払えばよいものなのか判断しかねますので、先にお話し下さいますか?内容によっては貴女の言い値の倍で買い取る事も致しましょう。いかがです?

悪いお話ではないでしょう?」

パリスの言葉にニーナが思案顔になる

今頭の中は数字が掛け巡っていることだろう

「…そのかわり…大した話でなければ逆に私の費やした時間分払って頂きますよ

さて…話すか話さないか、今すぐお帰りになるかお決めください」

和やかな声のトーンのままパリスはじりじりとニーナを追い詰めていく

相手に判断を委ねつつ逃げ場を塞いでいく

(…アルフォード家の血筋やべぇ…)

リュークの背中を冷たい汗が流れていく

もし今ニーナが怖じ気づいて帰ろうとしてもこの後付けられて居場所を特定され、事情を聞かれる事となる

恐らくパリスより遙かにキツい取り調べが待っている

その相手はキースだ

ニーナは知らないだろうが…

「…ではお話しますわ」

ニーナはキッとパリスを睨み付けた




~つづく~





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Category - 第8章

1 Comments

オババ  

なんにも知らない少女が悪女になるには納得する人生だけど……怖いわニーナ💧

プーさんと思って舐めてたら駄目だよねぇ、クラウス様の息子だよ!!話の内容によってはプーさんがグリズリーに豹変する?情報をメディアにでも売られたら厄介だから理由をつけて収監する?

2020/06/12 (Fri) 10:32 | REPLY |   

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