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夢恋城へ…ようこそ…

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第8章-75話

Category - 第8章
コンサートホールを出るとそこにはアンドリューのリムジンが停まっていた

執事が恭しく頭を下げてドアを開ける

「あの…どちらへ?」

急に怖くなってリムジンに乗る足が竦む

そんなエミリーの姿を見てアンドリューはにこやかに微笑む

「すぐそこのホテルのロビーのカフェですよ。貴女はカフェラテがお好きでしょう?そこのカフェラテが美味しいのですよ」

「なぜ…私の好みを?」

「私が知ろうと思ってわからない事は無いのですよ」

柔らかな微笑みと裏腹な言葉に体が震える

エミリーは促されるままリムジンに乗り、高級ホテルのラウンジでアンドリューを向かい合う事となった

テーブルの上にはエミリーの好きなアイスカフェラテが置かれた

アンドリューはエスプレッソの小さなソーサーを持って優雅に口に運んでいる

「そんなに硬くならずに寛いでください。私は貴女に危害を加えるつもりは毛頭ありませんよ」

「そんな…事は思ってないです…けど」

「キースに気をつけろとでも言われましたか?」

「い、いえ!決してそんな…!」

慌てて訂正する程にアンドリューがふっと笑う

全部バレてしまう

何を言ってもこの人にはわかってしまう

「貴女はエドワード王子のお妃候補だ」

アンドリューは両手の指を組んで真正面からエミリーを見つめた

「ええ、そうです…」

「けれどエドワード王子の事は好きではない」

「そんな…そんな事ないです!私はエドワード様を尊敬していますしお慕いしています…!」

「尊敬と愛情は違う…わかっている?貴女はエドワード王子のお妃になるということは妻になるということです」

「わかってます」

「妻となれば後継ぎを産まなくてはいけない。後継ぎを産むと言うことはエドワード王子を男として受け入れなければならない」

「わ、わかってます!」

「貴女は好きでもない男に抱かれるの?平気?」

「……」

エミリーはぐっと息を飲んだ

「貴女はまだ男に抱かれた事ないでしょう?どういうものか知らないだろう?お嬢様は婆やにやんわりと教えられた程度だろう」

「…っ!」

真っ赤になるエミリーにアンドリューは生徒に教えるようにゆっくり語り続ける

「子供の頃からエドワード王子のお妃になるものだと思い込まされてきた貴女はお妃になることと恋愛感情を一緒にできていない

その証拠にエドワード王子に抱かれる自分を想像できる?」

「…そんなの」

無理…

想像した事ない

お妃になることがゴールであってその先なんてお妃になってから考えればいい

大体なれる確率は低いのだから…

「じゃあキース王子は?」

「え…」

「キースに抱かれること…想像した事あるんじゃない?」

「…っ!」

何度目かの絶句

言い返せない

そんなの誰にも言えなかった

キースに抱かれる妄想…

ダンスを踊った時の感触だけを頼りに抱かれた感触を妄想する

キースの声で甘く囁かれたら…

リリィではなく自分の名を囁いてくれるキースを幾度も想像した

必死に自分で自分を抱き締めた夜…

誰にも言えない秘密の想いを目の前の王子はあたかも見てきたかのように指摘する

「キースのお妃には立候補しない?」

「無理…です。妹が付き合っています…あの子がそのままお妃様になるならそれでいいし…

もしだめだからと言って私がなったら…リリィと姉妹の縁は切れてしまいます

私がなることは…」

「貴女ならそう言うと思っていました。とっても妹想いだからね」

アンドリュー王子は極上の優しい笑顔で頷いてエミリーを見つめた

「でも…キースのそばにいたいだろう?お妃より長い時間一緒に」

「え…」

「成績優秀な貴女ならキースの側近になれると思うのですよ

秘書か大臣として彼の右腕になって国王になるキースを支える…いいと思いませんか?」

「秘書…」

秘書なら四六時中一緒にいられる

キースの行動の全てを把握できる

何よりキースが自分を頼ってくれる

「キャトルヴァン大学に入学しませんか?卒業後私がリバティ王室に貴女を推薦しますよ…ずっとキース王子を支える最も近い席にね」

アンドリューの策略を考える余裕など私情につけ込まれたエミリーにはなかった

こうしてエミリーは音大からキャトルヴァン大学へと入学を変えた

自分がリバティ王室を崩そうとする駒の一つに選ばれたとは気付かずに…



~つづく~





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Category - 第8章

1 Comments

オババ  

マグレイン家で最初に接触されたのエミリーなんだ!!この後シェリルちゃんに嫌われてたリリィはキースから切り離される!けど、実はマグレイン夫妻はアンドリューに脅されてたんだよね!?今までのなかでエミリーがやったことと言えばエドちゃんにお願いしてキースをリリィの見舞いにいかせたくらい?瑠璃ちゃんはまだ日本だし……同じ大学になったのは偶然だけど……瑠璃ちゃんの事故にやっぱり絡んでる?まあ、面白くはないよね、外国籍の庶民がキースの恋人で、キースが大学に迎えに来てときだって他の人は気づかなくてもエミリーはキースだってわかるし……おまけにミスキャンパスでも負けてるし……0章の一月後に事故だよね?瑠璃ちゃんが狙われた?もしエドちゃんが言ったもうひとつの仮説のようにエミリーが狙われてたとしたら何故?マグレイン夫妻に対してさらにリリィを病気と偽れと脅迫するためにエミリーを狙った?実の娘の命まで狙われたら、やるしかないよねぇ……でも、パターンが違うのがなぁ……分からない(TДT)

2020/06/15 (Mon) 10:46 | REPLY |   

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