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夢恋城へ…ようこそ…

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第8章-96話

Category - 第8章
「おーい、キース~」

宮殿にゆっくりした声が響く

「あっ!じーじちゃま!」

声の主に3才のキースは乳母の元から駆け寄ってきた

「今日は一人か?」

飛び付いてきたキースをクラウスは軽々と抱き上げた

「うん!父上も母上もお仕事」

「そっかー、忙しいもんな。
ちょっと一緒に行くか?」

「行くー!」

どこに…とも言わずにさっさとキースを抱いてホールに歩いていく

勝手に車のキーを取り出してキースを助手席に乗せた

「キース、船乗るぞ」

「船!やったー」

大はしゃぎのキースを乗せた車を見つけたアレックが走って出てきて叫んだが、時既に遅く…

「アレック!バイバーイ!」

助手席からキースの小さな手だけが見える

そしてクラウスの車は小さくなっていった

アレックは…がっくりと肩を落とした

クラウスは鼻歌交じりで海辺に車を留めると、今度は個人所有のクルーザーに乗り込んだ

それも自分で運転していく

目の前の行き先は…フィリップだった





「よぉ!元気か?」

クラウスがキースを抱いたまま向かったのはフィリップ城ではなく離宮とされているグレース王妃の城だった

「あら!クラウス様!」

一瞬何が起こったか判らなかったグレース王妃だったがすぐに満面の笑顔でキースに手を伸ばした

「キース王子様もよくおこしになられましたね」

「王妃ちゃま ごきげんよう」

キースは小さいながらキチンとグレース王妃に頭を下げた

「利発な王子様だこと!」

グレース王妃がニコニコ笑って頭を撫でるとキースは嬉しそうに笑った

「クラウス様、いきなりどうされましたの?」

「グレースが足を折ったって聞いたから見舞いに来た…んだが」

そういうクラウスの前ではグレースはしっかり立っていて、左腕に包帯を巻いて吊っていた

「脚ではなくて手ですよ」

「みたいだな…どこで情報が間違ったんだ?」

クラウスが首を傾げるとグレースがふふっと笑った

「ちょっと躓いたので壁に手をついたらヒビが入ったらしくって」

「ただでさえ細いんだから骨くらい丈夫にしておけ。魚がいいらしいぞ!骨ごと食え」

「骨…ですか?」

「って言っても無理だから骨を粉にしてスープとかに混ぜろ。いいな?」

クラウスの真剣な口調にグレース王妃とお付きのメイドが顔を見合わせて微笑み合って頷いた

「ところで…お訊ね先は私でいいのですか?チャールズはクラウス様がおみえになること存じています?」

チャールズとは前フィリップ国王であり、グレース王妃の夫、現フィリップ国王リチャードの父親のことである

「用事がないから言うわけないだろ」

「…相変わらず気が合わないのですね」

「あいつと気が合う奴がいたら教えてくれ」

ふんっとクラウスは横を向く

「それでも必要な時はちゃんと話も聞くし、意見も言うぞ!偉いだろ!」

「…偉いですね。はい」

「ばかにしてるだろ…」

話し方から気心の知れた友人同士だとわかる

クラウスのサバサバした裏表のない性格は男女問わずに好かれていた

グレース王妃とは姉ラティフィーヌを介して親交があり、フィリップ王妃というよりはグレース個人として友情を深めていた

「だけど、今日はフィリップの前王妃として話をしにきた」

「はい。伺いましょう」

グレースはぴんっと背筋を伸ばしてクラウスに対した


~つづく~




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Category - 第8章

3 Comments

オババ  

歴代アルタリア国王様&王子様、執事に黙ってコッソリと相手の亭主に黙ってコッソリでは見られ方が違います!(笑)まぁ、クラウス様はどっちにもコッソリだけど💧だからキース連れてった?

2020/07/06 (Mon) 15:38 | REPLY |   

歴代アルタリア国王&王子  

えぇぇぇ~!逢いに行っちゃだめなの!?

2020/07/06 (Mon) 14:10 | REPLY |   

オババ  

クラウス様…………………💧いくら友人でもコッソリ人妻に会いに行っては行けません!フットワーク軽すぎるよ💦ん?グレース王妃に話………ま・さ・か…リチャードを守るために断罪の剣を使う入れ知恵したのクラウス様?!それが分かって自分の望みが断たれたからリバティ恨んでる?!

2020/07/06 (Mon) 11:19 | REPLY |   

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