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第8章-97話

Category - 第8章
クラウスは膝の上にキースを乗せてグレースの前に地図を広げた

「今、リバティとシャルルとの間を海底トンネルで繋げようという計画が秘かに進んでいる」

「海底…海の下を通すという事ですか?」

グレースは細いからこそ余計に大きく見える瞳を更に見開いて地図を凝視した

「リバティとオリエンスの間は世界一深い海峡があるからさすがに不可能だが、アルタリアに向かう間にはトンネルを通すだけのちょうどいい深さと強度があるってわかったんだ」

「…アルタリアは関与されてないのですか?」

「さすがグレースだなぁ!そこをつくか」

クラウスは楽しそうに笑ってキースの頭を撫でた

「キース、この王妃はめちゃくちゃ頭いいんだぞ。女にしておくのはもったいないぐらいだ」

「もったいないの?」

「ああ、グレースが国王だったらフィリップの歴史は変わってたと思うぞ」

くくくっと笑うクラウスを膝の上からキースはキョトンとした顔で見上げる

「アルタリアは向こうから言ってきたら通過せずアルタリア国内に通じる道を作ってやろうと思う。その時はアルタリアから金もらうけどな」

「相変わらずお金に関しては手堅いですこと」

「そこは俺より息子の方が手堅い…」

クラウスは真面目なジェームスを思い出して肩をすくめる

「それで?シャルルとの間でしたらフィリップはどう関わるのです?」

「うん」

クラウスはリバティとフィリップの間を指でコツコツと叩いた

「距離で言えばアルタリアの陸地よりフィリップの陸地に行く方が近い」

「そうですわね」

「ただ面倒臭い事に、この間にはフレットアイランドの小島が点在している」

ふうっとクラウスは息を吐いた

「独立国だから今のところ手出しできねぇ…ノーブル様からも釘を刺されてるしな。侵略するなって」

「平和が一番ですわよ」

グレースはゆっくりと紅茶に口をつけた

「その向こうのイスパネオ王国も見据えながらやんねぇともめるからな。まだ時期尚早だ」

クラウスはキースの頭を撫でた

「キースの時代になったら状況が変わっているだろう。そしたらこの辺りの国、お前が取っちゃえ」

「はーい」

キースはにこやかに手を上げた

まさかキースの時代に取るどころかフレットアイランドの方から植民地にして欲しいと頭を下げられるとは、さすがのクラウスも想像していなかっただろう

「で、本題だグレース」

「はい」

「シャルルとの間は海底を通す。フィリップとの間には橋を渡したい」

「橋…ですか」

「前にチャールズにちらっと言ったことあるんだけど、真っ青になってから真っ赤になって無視された…」

「でしょうね…」

「間のフレットアイランドの小島には中継の柱だけ立てさせてもらう。そこはリバティが全額負担すると言えばすぐに食いつくだろうからな」

「後はフィリップの意向だけという事ですね」

「そういう事だ」

「なぜ海底ではなく橋なのです?」

「万が一海底トンネルに不具合が出た場合、橋を使える

逆に台風とかで橋が封鎖されれば海底トンネルが使える

もちろん飛行機も船も必要だ

ありとあらゆる交通手段を確保したいんだよ。リバティは独立した島国だからよ」

「全く…大胆なのか繊細なのかわからない方ですね」

グレースは苦笑して地図を改めて見つめた

「フィリップの利点は?」

「リバティと直接繋がる事で関税を他国より下げてやってもいいと思っている。

入国審査の簡略化でもいい

フィリップだけの特典は付けるつもりだぜ」

「なるほど…

実はチャールズは既に脳梗塞の後遺症で公務ができる状態ではありません。こういった事の判断も難しいでしょう

表だって公表はしていませんが…」

「まぁ…噂は聞いてたけどな」

「エレノアもチャールズの後ろ盾がなければ権力もなにもないただのホルスタインです」

「…俺はノーコメントでいいか?」

「つまり決定権を持つ現国王のリチャードに意見を言えるのは私しかいません」

わかっていたんでしょう?とグレースは紅茶をのんびりと味わう

「まだジェームス様とリチャードでは物足りないと?」

「事がでかいからな。先に親が地固めしてやろうかなと」

「結構甘いのですね」

「って言うか、くそ真面目な俺んとこの息子とお前んとこの息子だといつまでたっても先に進まねぇんだよ!」

「…意義なしですわね」

「進まないの?お船?」

キースがクラウスとグレースの顔を交互に見て首を傾げる

「キース、お前には俺がじっくりいろんな事教えてやるからな

パパッと仕事する方法とか金儲けの仕方とか、まわりの国と喧嘩しても負けない方法とか…

後、女の口説き方な」

クラウスがくしゃくしゃっと頭を撫でるとキースはにかっと笑った



~つづく~





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Category - 第8章

1 Comments

オババ  

ふと思う…最初にティナが現れたときにクラウス様が存命ならどうしてただろう?ってか、存命ならアレックくらいだから70歳前半?キースが撃たれたときにいたら……その時点でフレットアイランドは滅ぼされてるよ( ̄▽ ̄;)

2020/07/07 (Tue) 10:57 | REPLY |   

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