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第8章-116話

Category - 第8章
『キース王子が民間の女性と真剣交際をしているとの噂が浮上しました』

テレビではにこやかに微笑みながらキャスターが伝えはじめた

リリィは眉をひそめてテレビに見入った

『お相手の名前は不明ですがシャルル王国の有名大学に通う女子大生で、つい先日ミスキャンパスにも選ばれた美女とか』

その言葉に一瞬エミリーかと思ったが民間人との事だから違うと否定した

もしエミリーなら《リバティの身分の高い貴族の令嬢》といわれる筈なのだから

そう思って苦笑する

もう自分には関係ない

関係ないないが…気になる

その女と自分の何が違うのか

キースも22才になる

結婚話が現実になっても不思議ではない

自分の時より信憑性がある

「ボロック…調べてきて。この女の事」

リリィは執事を呼び出すとそう命じた

けれどその必要はなかった

実家に帰って来ていたエミリーが情報を全て伝えたのだ

エミリーがリリィに手渡した書類には瑠璃のプロフィールと隠し撮りされた写真が数枚付けられていた

「…本当に庶民なのね」

「中流中の中流ってとこかしら」

普段穏やかなエミリーの言葉に刺があることにリリィはすぐに気付いた

「キースなんて高すぎるプライドと身分重視の固まりだったのに…って…お姉様も思ってる?」

「…そうね」

「ふーん…」

姉が秘かにキースに思いを寄せているだろう事はリリィも気付いていた

が、こんなにわかりやすく顔に表した事はなかった

自分が目の前で付き合っている時ですら平静を装っていたのだ

それが面白くってわざと目の前でベタベタくっついたりしたものだ

それももう過去の事だけれど…

「こんな女にお姉様はミスキャンパスで負けたの?」

「そ、それは…っ!うちは女子の方が人数が多いからよ!男性票は圧倒的に私の方が多かったんだから!」

それは男女比率だけの話で、実際は瑠璃の方が男女共に票が多かった

それをエミリーが認めないだけなのだ

必死で否定するエミリーをリリィは不思議な気持ちで見つめていた

負けず嫌いという感情はリリィの為にある言葉であってエミリーにはないと思っていた

なんでも『しかたがない』と負けを飲み込んで感情を抑え込んでいるのがエミリーの性格だったのだから

「どうせキースの一時の気の迷いでしょ。つまみ食いっていうの?」

「アンドリュー様もそう仰るけど…」

「アンドリュー様って…誰?」

不意にエミリーの口から出た初めて聞く名前にリリィは食いついた

エミリーははっとしたように大きく首を振った

アンドリューのことは家族の誰にも言ってはいけないと釘を刺されていたのだ

もっとも両親が接触しているのはジルベールという名のシャルルの貴族なのだから誰もアンドリューの存在は知らない

「パーティーで知り合いになった方よ。ちょっとお話しただけ」

「ふーん…」

リリィはさっきと同じトーンで返答した

「私が元気だったら全力で苛めにいくのになぁ~」

リリィは瑠璃の写真をテーブルの上に放り投げると大きく伸びをして窓の外に目を移した

本当は病気ではない妹の言葉をエミリーは複雑な気持ちで見つめていた



~つづく~




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Category - 第8章

2 Comments

オババ  

リリィの全力で苛める……を、エミリーが実行したらあぁなった?
エミリーは嫉妬しても仕方ないじゃん!最初から諦めてきてたんだからさぁ😞💨努力したのはキースの側近になるために勉強したくらいでしょ?!
まっ、表舞台から消えるのわかってるから「戯れ言を」と聞いておくわ(笑)

2020/08/01 (Sat) 14:43 | REPLY |   

あや  

耐えてた姉の方の妬み嫉みが厄介〜。皆さんただの手駒でしかないのに。マグレイン家は私利私欲の塊だから簡単にアンドリューの策略にハマったんだね。
奔放な妹はわかりやすくって100歩譲ってもよ!まだいいのかも😅
全力で苛めにいくって😅うん。君の思考は短絡的だもの、そうだろうね😅

2020/08/01 (Sat) 10:28 | REPLY |   

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