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第8章-122話

Category - 第8章
実家に帰ったら帰ったで憂鬱ではあった

家から出られないストレスの固まりの妹

一刻も早くシャルルの次期王妃に内定させたい両親

大学院卒業後の為の就活

よりキースのそばにいられる所に就職したい

なのにエドワードのプリンセスになるべく動きもしなくてはいけない

いかにも自分が活動的に動いて疲れているように思っているエミリーだが

どれもがアンドリューによって敷かれたレールの上を見えない手で牽引されている事を忘れている

更にアンドリューは何もしてくれないと思い始めていた

さっさとエドワードのお妃に決めて欲しい

早くリバティ王室に近い職場に就職させて欲しい

何をぐずぐずしているの…

アンドリューへの不満が心の中にムクムクと湧き上がって来ていたその時…

エミリーの携帯がなった

エミリーに掛けてくるのは両親か妹か…

そう思うエミリーは本当に友人が少なかった

「もしもし…」

『明日帰ってくるんでしょ?』

いきなり言いだしたのはリリィだった

「そのつもりだけど」

『シャルルのブリュイのマカロン買ってきて』

それだけを言うとプツッと切れた

エミリーははぁ…と溜息をついた

シャルルにあるブリュイという名のスィーツ専門店はマカロンで有名な店だ

並ばないと買えない

それを私にやれというの?

ボロックに頼めばいいじゃない

私はメイドじゃないのに…!

更にイライラとした気分のままバスに揺られる

するとまた携帯がなる

目の前で座っている女性がギロッと睨んだのがわかった

またリリィなのかと無視をしようとしたが鳴り止まない為、周りからの視線が気になって仕方なく携帯を取り出した

予想に反してディスプレイに出た名前は《Andrew》

エミリーは慌てて出た

「もしもし…!」

『エミリー!今すぐバスを降りて!今すぐ!』

「え?」

唐突過ぎる言葉に声が出ない

なぜ自分がバスに乗っていることをアンドリューが知っているのかと気づく事もできない

『今どこ!?』

「えっと…もうすぐルーアンの交差点です」

『次のバス停で降りなさい!必ず!』

「え…なぜ…」

『いいから!迎えの車は寄こします!降りなさい!』

「はい…」

エミリーはいつにないアンドリューの強い語気に押されてルーアンの交差点を過ぎた次の停留所で降りた

『…降りましたか?』

手に持ったままの携帯電話からアンドリューの声が聞こえてきた

「あ、はい…!」

エミリーは自分を降ろし走り去っていくバスの後ろ姿を見ながら携帯を耳に当てた

『そこからシュル=メールの交差点まで直進だ。見えていますか?』

「はい…」

エミリーが見つめる先にはバスが何台かの車と共にシュル=メールの交差点に向かっている

片側3車線の広い道路で、街路樹の木々が青々と夏の光を跳ね返し、中央分離帯に植えられた花々が微かな風に揺れていた

『よく見ていなさいね』

アンドリューがそう告げたその時…

爆発したような大きな音がした

地響きがする

エミリーは思わず座り込んだ

地震!?

いや違う!

離れていても悲鳴と怒号が響き渡った

黒い煙がもくもくと立ち上がった

「事故だ!ぶつかった!?」

「あれ、バスじゃね?ヤバイだろ!」

周りの人々が座り込んだエミリーの横を走って行く

バス…?

バスが事故にあったの?

バスって私が乗っていたバス?

事態がわかってくるほどに体が震えて立ち上がれない

「救急車!早く!」

「爆発するぞ!」

「トラックだ!トラックがバスに突っ込んだ!」

人々の声が早鐘を打つ心臓の音でかき消されていく

横倒しになったバスと、そこに突っ込んだ大型トラックが煙の向こうに見えた

さっきまで自分はあの中にいた…

もし降りなかったら…

無事でいれた筈はない





『…降りてよかったでしょう?』

握りしめたままの携帯からアンドリューの笑みを含んだ声が聞こえていた




~つづく~




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Category - 第8章

1 Comments

オババ  

エミリーに対するアンドリューの脅し?でも……アンドリューが怖くもなるだろうけど、瑠璃ちゃんが乗ってたの知ってるエミリーにしたら良くない考えが過っただろうね……でもでもでも!!!キースが迎えに来るからやっぱエミリー沼堕ちΨ(`∀´)Ψケケケ

2020/08/07 (Fri) 21:19 | REPLY |   

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